「サカイ(SACAI)」で13年間パタンナーを務めた橋本千子が手掛ける「ハリカエ(HARIKAE)」は、2018-19年秋冬の展示会を18日まで中目黒のザ ハンガー(THE HANGER:東京都目黒区上目黒1-14-6)で開いている。「Meetings」と題した展示会は、写真家の横浪修、グラフィックデザイナーの天宅正、フレンチシェフのノブ、建築家でデザイナーの夫でもある張替那麻とコラボレーションした展示を一般にも公開している。平日の10時~15時はバイヤー向け、15時~19時は一般向けと時間を区切り、期間中は橋本デザイナーも接客する。また、16日の17~24時、17日の12~24時、18日の12~21時と3日間限定でレストランをオープンし、「ハリカエ」のオリジナルメニューを振る舞う。
この発表形式にした理由を橋本デザイナーは「展示会を人が出会える場、開かれた場にしたいと考えました。“生活に根付いたデザイン”“生活の延長線上にあるデザイン”をコンセプトに服作りに取り組んでいますが、写真やグラフィックの作品を見たり、食事をする場から距離を置かず服を見ることができる環境を作りたいと思いました。また、「Meetings」には出会いという意味の他に会議という意味もありますが、いろんな情報を交換できる場にしたいという思いもあります」と話す。
ルックブック用の写真やグラフィック、料理のメニューは、「ハリカエ」のコレクションを見て3者に自由に表現してもらったという。また、ルック写真の上にグラフィックがのせられた作品にインスパイアされたTシャツを新たに製作してコレクションに加えた。「今回、写真家やグラフィックデザイナー、フレンチレストラン、建築家、そしてお客さまを含め、いろんな視点で『ハリカエ』を表現できたらと考えました。常にモノ作りを楽しみたいという思いがあります。さまざまな視点が重なり合うさまは面白い」。今後も一般の人が自由に訪れることのできる展示会を行っていく予定だ。
今シーズンのデザインポイントは「かご」。いろいろなかごの柄を編地で表現したニットや、かごの柄をインクジェットプリントしたドレスなどが並ぶ。プリントドレスにはエンボス加工が施してあり、光が当たると立体感が生まれる。また「蓑」からイメージを広げて一枚布で仕立てたケープなども並ぶ。いずれも空気をはらむデザインがポイントで軽量だ。
「ハリカエ」は16-17年秋冬にデビュー。バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)やジャーナルスタンダード(JOURNAL STANDARD)など約20の販売拠点を持つ。