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なぜサマンサタバサは羽生結弦のスケート靴を850万円で落札したのか

  サマンサタバサジャパンリミテッド(以下、サマンサタバサ)は3月11日22時8分、平昌五輪で金メダルを獲得した羽生結弦のサイン入りスケート靴を850万1000円で落札した。落札されたスケート靴は、一般社団法人ウェブベルマーク協会が東北の被災校支援に特化したベルマーク運動「ウェブベルマーク」の一環で、オークションサイトの「ヤフオク!」に出品したものだ。

 サマンサタバサは、羽生選手のスケート靴を落札するに至った経緯について「11日の日曜日にたまたま本社に出勤していた一部のメンバーが、震災に関するニュースが流れる中、『私たちに何かできないか』と立ち話しをしていたことがきっかけ。そこで羽生選手のスケート靴のチャリティーオークションが白熱しているというニュースを知り、海外と日本全国2000人の“サマンサ女子”に一斉メール、LINE、電話などで声をかけた。すると各地のショップメンバーから熱い返答があった」と説明する。

 本社の代表者が1口1000円で有志1人1人から資金を集め、18時時点で8000口が集まっていたという。全国のショップが閉まる21時から30分後の21時30分を締め切りとし、最終的に8600口ほど集まり、22時3分に入札した同社の850万1000円を超える額での入札が5分間なく、22時8分に落札した。

 同社は東日本大震災や熊本地震で仙台地区や熊本地区の店舗が被害に遭い、営業できない時期が続いたり、被災したショップメンバーもいたという。「日頃お店が運営できることに感謝したい」という思いが国内外のスタッフの心を動かした。

 羽生選手は、昨年も同様のチャリティーオークションにスケート靴を寄付しており、350万円で落札されていた。今年は平昌オリンピックで金メダルを獲得した直後ということもあり、一時約3550万円まで高騰。ウェブベルマーク協会事務局は入札にメールでの事前連絡を義務づけていたが、未連絡での高額入札が相次いだため出品を停止して再出品した。その後も8日に入札額が1億円を超え、1円に戻すなどの措置を取っていた。

 サマンサタバサは、落札した羽生選手のスケート靴の今後については、「震災や今回のチャリティー参加を忘れないためにも、本社に置くことを検討していたが、ファンなどから見ることができる場所に置いてほしいという意見もSNSなどでいただいている。セキュリティーなどを確認してからの判断になるが、被災地の広報室など、皆さまに見ていただけることができる場所に置くことも検討している」としている。

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