3.1フィリップ リム・ジャパンは2018年10月1日付で、サザビーリーグとの共同出資による合弁から米国本社の全額出資による本国100%子会社の新体制に移行する。米3.1フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)社とジャパン社が一体となってビジネスを直接運営し、本国のノウハウを活用することで日本市場を最大限に成長させることが目的だ。移行後も、現在運営している直営店および卸ビジネスは継続していく。新ジャパン社の社長には、清澤朋子・現社長に代わり、ウェン・ゾウ(Wen Zhou)=3.1フィリップ リム共同創業者兼最高経営責任者(CEO)が就き、現スタッフはそのまま移行する。
ゾウCEOは独立の経緯について「サザビーリーグは、私たちの日本でのビジネスの成長をサポートし、ブランドの成功を共に築いてくれた。サザビーリーグと歩んだ10年の間に、私たちは日本でもビジネスを直接運営できるだけの準備が整い、お客さまや大切な友人と直接つながることで『3.1フィリップ リム』らしいユニークな声を届け続けたいという強い意志を叶えられる段階に至った。創業当初から外部からの投資のない財務的に独立した企業であることは私たちの誇りであり、日本でも独立した企業としてビジネスを行えることは、私たちにとって大きな意味を持つ。サザビーリーグは素晴らしいパートナーだった。私たちにとって家族のような存在で、彼らのガイダンスとサポートに心から感謝している」とコメントしている。
グローバル、日本共に売り上げ規模を明らかにしていないが「日本の売り上げはこの10年成長し続けてきた。15、16年は厳しい市況により苦戦したが、17年は力強く回復した。18年は素晴らしい年になると確信している。私たちは常に、お客さまと対話をしたいと思っている。私たちは、売り上げばかりに重きを置くのではなく、お客さまの興味、思考プロセス、好きなもの、嫌いなものを知りたい。究極を言うと、私たちのゴールは、お客さまに最高の体験をしていただくこと。日本は私たちの中で特別な存在であり、これからもずっと、この“素敵な恋愛関係”を続けていきたい」とゾウCEOはインタビューに答えた。
一方、角田良太サザビーリーグ社長は、「私たちサザビーリーグと『3.1フィリップ リム』がビジネスをスタートできたことは素晴らしい出会いであり、共にサザビーリーグのファミリーとして、その特別な世界観を 10 年にわたり日本のみなさんにお伝えすることができたのは、大変光栄なことだった。これからも『3.1フィリップ リム』が、日本のファンを魅了し続けるグローバルブランドとしてさらに進化し、発展し続けることと確信している」とコメントした。
3.1フィリップ リム・ジャパンは、米3.1フィリップ リム社が20%を、サザビーリーグが80%を出資して07年に設立。「3.1フィリップ リム」はクリエイティブ・ディレクターのフィリップ・リムが共同経営者であるゾウCEOと共に05年にニューヨークでスタートし、06-07年秋冬ニューヨーク・ファッション・ウイークでデビューした。07年6月にニューヨークに初の路面店をオープンした後、08年4月に東京・青山に路面店をオープン。日本ではギンザ シックス(GINZA SIX)を含む8店舗の直営店を展開している。世界では現在、17店舗の路面店に加え、世界50カ国、450以上のブティックや大手百貨店で販売している。