ヒロココシノのKHギャラリー銀座は5月19日まで、企画展「コシノヒロコ クリムトへのオマージュ」を開催している。同展は19世紀後半から20世紀前半にオーストリア・ウィーンで活躍した画家のグスタフ・クリムト(Gustav Klimt)の作品を着想源に、コシノヒロコが2013年から手掛けてきた絵画を展示するもの。裸体や妊婦、装飾的な柄、金色などが特徴的な作風を、布を用いたり、墨や和紙を取り入れたりとコシノ流に表現している。コシノは今年1月、NHKのTV番組「日曜美術館」でクリムトが特集された回に出演し、クリムトに対する思いや自身との共通点について語った。その出演を機に手掛けた新作も同展では披露している。
目玉は、5年ぶりの披露となったコシノにとって最大級の作品「WORK #1078 幸せの青い鳥」だ。サイズは220×388cmと巨大だが、屏風をヒントに4つに板を分けることで持ち運びを可能にしている。コシノは従来絵画作品を販売しないが、この作品を展示するために本社を建て替えると申し出たユニフォームアパレルメーカーのボンマックスに同作品を売却した。ボンマックスはコシノのライセンス商品を手掛けている。
13日に開かれたオープニングレセプションでコシノは、「『日曜美術館』で『WORK #1078 幸せの青い鳥』を再現してほしいと依頼されたが、同じものは作れないとお断りした。作品を制作しようとすると新しい表現を入れたくなってしまうから。それは、時代とともに考えていることを作品に反映するというファッションデザイナーとしての特質なのかもしれない。だから、今回新しく作った作品は今の私を映しているはず」と明かした。
■コシノヒロコ クリムトへのオマージュ
会期:3月13日~5月19日
時間:10:30~19:00
休廊日:3月18日、4月1日、6日、15日、29日、5月13日
会場:KHギャラリー銀座
住所:東京都中央区銀座4-3-13 和光並木通ビル地下1階