ティファニー(TIFFANY & CO.)の2018年1月期決算は、売上高が前期比4.2%増の41億6980万ドル(約4378億円)、純利益が同17.0%減の3億7010万ドル(約388億円)で増収減益だった。既存店ベースの売上高は同1%増で、アナリスト予想の同2.7%増を下回った。しかし17年度の純利益には、第4四半期に適用されたアメリカの税制改正に関連した総額1億4600万ドル(約153億円)の課税金が含まれており、こうした費用を除いた純利益は同10%増だった。なお、日本での売上高は同1.3%減の5億9600万ドル(約625億円)で、現地通貨ベースでは1%増だった。
北米セフォラ(SEPHORA NORTH AMERICA)、ブルガリ(BVLGARI)、ディーゼル(DIESEL)のトップを歴任し、昨年10月に現職に就いたアレッサンドロ・ボリオーロ(Alessandro Bogliolo)最高経営責任者(CEO)は決算会見で、進化したブランドメッセージを広めること、商品提供の仕方を見直し、店内のプレゼンテーションを改善すること、シームレスなオムニチャネルによるショッピング体験を提供すること、より効率的な運用モデルの強化すること、一気通貫したフットワークが軽い組織を作り上げること、競争力を強化し、主要市場をリードすることの、6つの優先事項を発表した。
ボリオーロCEOは、「われわれのミッションは美と逸品の作り手となること。簡単に言えば、『ティファニー』は愛と人生のために時代を超える美しいデザインを提供し、どの世代にも大切にされるということだ。6つの優先事項はミレニアルズにフォーカスしたものだが、『ティファニー』は180年間ミレニアルズ(若者)ためのブランドであり続けてきた。婚約指輪やギフトとして選ばれる機会が多く、卒業や婚約、結婚など若者の人生の節目を彩ってきた」と語る。
また、古巣であるブルガリとティファニーとの違いについて、ボリオーロCEOは「『ティファニー』はブランドとして『ブルガリ』よりも控えめだが、若く、遊びごごろがあるブランドDNAを持っている。ブランドのDNAは人の個性と同じで、そこに良し悪しはない。だがこの『ティファニー』のDNAは、ラグジュアリー市場で起きている変化にマッチしている。ラグジュアリーはフォーマルであることとは関係がなくなってきている。今は多くの人に知ってもらうことが、ラグジュアリーにおいて意味をなすのだ」と話した。