三井不動産は22日、複合商業施設「東京ミッドタウン日比谷」を29日の開業に先駆けて関係者に公開した。地上1~7階と地下1階の商業エリア1万8000平方メートルに60店舗が入る。初年度は来館客数1200万人、売上高130億円を目指す。映画や演劇などのメッカだが、商業地としては地味だった日比谷が大きく変わることになる。
1~3階の吹き抜け付近にファッションなどの物販を集め、日比谷公園や皇居を眺望できる日比谷通り側に飲食店を配置した。物販はメンズとウィメンズのコンバインショップを充実させ、カップルや夫婦での来店を促す。店舗数は多くないものの、スペースが広い店舗が多いため、ゆったりと落ち着いて買い物や食事が楽しめる。集客の目玉として特に飲食を強化しており、和洋中の高級レストランから地下1階のニューヨーク風フードホールである「ヒビヤフードホール(HIBIYA FOOD HALL)」までバラエティに富んでいる。
ファッション・ライフスタイル関連で最大の見どころは、大手書店の有隣堂とクリエイティブ・ディレクターの南貴之が組んだ「ヒビヤセントラルマーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)」である。783平方メートルの広い店舗内には、昭和レトロな理髪店や居酒屋、キオスク、最先端のセレクトショップのグラフペーパー(GRAPHPAPER)などが混在し、映画のセットのような混沌とした空間を作り上げている。理髪店の「理容ヒビヤ」は椅子からカミソリ、くし、ドライヤーまで昭和のデッドストックを並べる凝りよう。南ディレクターは「神は細部に宿る。ディテールには徹底的にこだわった」と話す。
セレクトショップで最大のテナントは「タトラス&ストラダエスト(TATRAS&STRADA EST)」で青山の路面旗艦店を上回る594平方メートル。昨年秋に復活した「マスターマインド・ジャパン(MASTER MIND JAPAN)」による旗艦店「マスタートーキョー(MASTER TOKYO)」は、特注のビリヤード台や銀行の巨大金庫を模したようなVIPルームなど遊び心のある内装になっている。