高知県は22日に東京・銀座の銀座フェニックスプラザで、歴史を中心とした博覧会「志国高知 幕末維新博」第2幕開幕の記者発表会を行った。同博覧会は大政奉還から150年にあたる2017年3月4日に第1幕が開幕し、高知城歴史博物館がオープンして未公開資料を展示するなど、現在も開催中だ。
第2幕は、明治維新から150年という節目である18年の4月21日に開幕するが、最大の特徴は初めてファッション分野に進出する点。原宿のビンテージショップ、「ベルベルジン(BERBERJIN)」とアメカジブランド「ウエアハウスカンパニー(WAREHOUSE COMPANY)」の2者と組み、ジョン万次郎にオマージュをささげたジーンズ“ジョン万デニム”を発売したり、スニーカーショップのアトモス(ATMOS)とコラボしてスニーカーやウエアをリリースする予定だ。歴史分野では4月21日に、高知市内に坂本龍馬記念館がグランドオープンする。
記者発表会で尾﨑正直・高知県知事は、「4月21日、志の高い7社と出航する。“平成の海援隊”として地方から世界へ、を実現したい」と意気込みを語った。香川県出身でアトモスを運営する本明秀文テクストトレーディングカンパニー社長は「アトモスはニューヨーク、韓国に店舗を持ち、4月27日にはタイにも初出店する。手前みそだが海外での認知度、影響力は大きく、世界から高知への動員の一端を担いたい」とコメントした。
高知県出身の藤原裕「ベルベルジン」ディレクターは、「ジョン万次郎が生きた19世紀後半のデニムを再現した。初めてジーンズをデザインするのだが、光栄であると同時に中途半端なモノは作れないという緊張感もある」と心境を述べた。藤木将己「ウエアハウスカンパニー」プレスも、「歴史は十分意識しつつ、あくまで今はけるものを目指した。腰回りがゆったりしたテーパードシルエットに仕上げる。19世紀後半のジーンズは12オンス前後が主流だったことから、“ジョン万デニム”は12.5オンスとした」と語る。
“ジョン万デニム”は4月21日から予約受け付けを開始し、120本限定で発売する。アトモスによるアイテムの発売日は未定だが、本明社長は「高知の魅力は歴史だけではない。自然にあふれ、四万十川ウルトラマラソンやお遍路もある。ファッションに、“ネイチャー”や“アクティブ”といった要素をプラスすることも考えている。夏ごろにサンプルを見せたい」と話した。
“平成の海援隊”に名を連ねるのは他に、飲食やアミューズメントを手掛けるDDホールディングス、玩具メーカーのタカラトミー、スマートフォンゲームの運営を行うDeNA Games Tokyo、芸能プロダクションのレプロエンタテインメントの4社。