皆さん、こんにちは。1月からのファッション・ウイークも、東京の閉幕でひと段落。そして業界の注目は今、時計に移りました(すごく強引w)‼︎というのも現在、スイス第3の街バーゼルでは、時計&宝飾の祭典バーゼルワールドが絶賛開幕中なのです!
「WWDジャパン」時計担当は、バーゼルから電車で1時間の、スイス最大の都チューリッヒに滞在し、朝晩バーゼルまで電車通勤をしています。え?「なんでバーゼルに泊まらないのか?」ですって?いい質問です(笑)。それは、バーゼルがあまりに小さな街で、バーゼルワールドに参加する全員を収容できるほどのホテルがないから(笑)‼︎なので関係者は、当然バーゼルに泊まれるラッキー&リッチな人もいますが、僕のようにチューリッヒや、ドイツとの国境をまたいだフライブルク、そのほか周辺の田舎町に滞在し、朝晩バーゼルまで通う人がとてもたくさんいるのです。
そこでこの「連載 バーゼルワールド2018」は、ヒマな電車通勤の間、1時間限定で記事を書き、皆さんにバーゼルワールドの魅力や、注目ブランドの最新作を紹介できれば、と思います。コンパクトな連載で終えるつもりですが、面白いブランドがたくさん出てきたら、もっと続けちゃうかも!そして、各回1ブランドなどのルールも設けず、フリーダムに進めてみたいと思います。おつきあいください。
さて、そんな短期集中連載の初回は、ファッション&ビューティメディアの「WWD JAPAN.com」らしく、ファッション・ウイークで大注目の「グッチ(GUCCI)」から始めましょう。「グッチ」と言えば、2018-19年秋冬はついに“生首”まで登場しましたが、クリエイティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の「なんでもアリ」のハイブリッドな世界は時計でも健在。一部を除き、中心価格帯は10万円チョイくらいですから、バッグや洋服には手が届かない若い世代に人気。スニーカーやベースボールキャップを買うような人たちが、「グッチ」では時計も買っています。
そんな「グッチ」の新作は、ベルトと文字盤にホログラムを使った、“G -タイムレス”です。特にホワイトはメチャカワ!見る角度を変えたり、時計を傾けたりすると、GGのモチーフが浮かんだり消えたり。新しいです。
このホログラムというアイデアは、実は18-19年秋冬のトレンドの1つ。ファッションの世界では世界的にムードが高まるばかりのダイバーシティー(多様性)を表現すべく、次の秋冬は七色のレインボーカラーや、見る角度を変えるとレインボーに変化するメタリックやパテント、ラミネート、コーティング、PVCなどの素材がトレンドに浮上しています。ホログラムは、まさにその1つ‼︎さすが、時計もファッションの1つと捉える「グッチ」です。
と、1つの時計をガッツリ語ってみましたが、なんとまだ20分!1時間って、結構長いですね(笑)。皆さん、しばらくおつきあいのほどを。
2つ目に紹介したいのは、遠目ではミケーレらしいカラフルで和洋折衷な世界観がわからない、シルバー、もしくはイエローゴールド単色の40mmの時計です。が、よ〜く見るとこの時計、文字盤に刻んだ模様のバリエーションと、その使い分け方、敷き詰め方がスゴい‼︎時計の世界では頻繁に登場するギヨシェ(連続的かつ幾何学的な模様を刻んだ装飾のこと)がビッチリ!そこにスタッズのモチーフを加えたり、ギヨシェでシェブロンのモチーフを描いたり、よくよく見ると単一カラーながら、ミケーレらしくしっかり派手!主張が詰まっています。お値段は30万円前後と少々お高めですが、単一カラーだから使い勝手は良く、一方で覗き込むとしっかり「グッチ」。「今のミケーレ『グッチ』な時計が欲しい!」という刹那的な欲求と、「長く使えるいい時計が欲しい!」という永続的な欲求の双方を叶える大満足の一本です。
まだいけます(笑)‼︎
スクエアシェイプが特徴の“G-フレーム”からは、ベルトはもちろん、文字盤に大きな花が咲いた、レトロカワイイ一本がデビュー。こちらもまた、ロマンティック大好きなミケーレらしい時計です。このシリーズからは、MOP(時計業界では、マザー・オブ・パールの略語。あこや貝やカキなどの、虹色に光る貝の裏側のこと)を丁寧に切り貼りして「グッチ」の“ウェブ”ストライプを描いた新作も登場します。そして、付け替え可能なストラップも発売。一人ひとりの個性の表現を応援します。
バッグもちょっとお高めな、でも双頭のタイガーヘッドがカッコいい“デュオニソス”の新作時計は、もはや時計というよりブレスレット!彫金レベルの細工が大変なことになっています!
ということで、初回はここまで!次はバーゼルからチューリッヒに戻る帰りの電車で原稿を書いてみようかと。今日は会食の予定なので、寝落ちしなければいいけれど(笑)。