ロベルト・カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)の17年12月期決算は、売上高が前期比1.8%減の1億5240万ユーロ(約196億円)、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は前期の2620万ユーロ(約33億円)の赤字から710万ユーロ(約9億円)の赤字に縮小した。
しかし、16年5月に現職に就き同社の再建を進めるジャン・ジャコモ・フェラリス(Gian Giacomo Ferraris)最高経営責任者(CEO)は、年率約25%で下がり続けていた売上高を安定させることが最優先課題であったことを強調し、「会社再建中で、かつ成長が鈍い市場の中、期待以上の業績だ。会社としての進路、クリエイティブ面の方向性、そして経営陣営が適切であることを再確認した。現在、計画の第1段階から価値創造の第2段階へ、移行をどのように加速させるかを模索している。これまでを振り返ると18年には営業利益の黒字化という目標を達成できるだろう」と自信を見せる。
ポール・サリッジ(Paul Surridge)=クリエイティブ・ディレクターのセカンドコレクションについてフェラリスCEOは、「18-19年秋冬コレクションは、強い自信を取り戻す兆しとなるコレクションとなった。新たなクライアントや、バーグドルフ グッドマン(BERGDORF GOODMAN)やジョイス(JOICE)など、1度は離れてしまったクライアントとの関係を取り戻した」と評価する。
6月にフィレンツェで行われる第94回ピッティ・イマージネ・ウオモでは、ゲストブランドとしてファッションショーを披露する予定だ。「ピッティは世界的にアピールする場にしたい。フィレンツェはわれわれの本拠地。メンズをブランドの柱としてウィメンズと同じレベルまで強化したい」と意気込む。
ロベルト・カヴァリは17年末時点で、87店舗を運営している。そのうち46店舗は直営店で、残りはフランチャイズ店だ。18年4月に成都に、5月または6月に中国・ハルビンに直営店を、その後マカオにメンズショップをオープン予定だ。「われわれのアジアでのプレゼンスはゼロだが、ブランドの認知度は高い」とフェラリスCEO語る。上海か東京でファッションショーを行うことも検討しているという。