合繊大手の小松精練はウール紡績のアイ.エス.テイ(I.S.T、旧日興テキスタイル)と共同で、ウールの紡績技術を使った新感覚のハイブリッド合繊素材“カールカール ケーエス(KARL KARL-KS)”を新たに打ち出す。同素材は3年前に発表していたが、生産工程を一から見直すことで価格を従来に比べ3割下げ、新たに世界に向けて販売する。小松精練の池田哲夫・社長は「3年前は打ち出しや機能が中途半端だった。あえてウールという言葉を使わず、新しいハイブリッド素材としてファッションやスポーツ、ホームファッション分野で展開する」と意気込む。
同素材のベースになる “カールカール”は、高機能素材の開発ベンチャーであるアイ.エス.テイが開発した軽くてハイバルキーなウール素材。米パタゴニアなどのアウトドアブランドなどにも採用され、通常のウール糸に比べ30%軽いという。「カールカール ケーエス」は小松精練との共同開発素材で、同じ技術でポリエステルを紡績したもの。リニューアルにより価格を下げたことで、これまで主力用途だった「ホールガーメント」ニットに加え、透湿防水加工などと組み合わせ、スキーウエアやアウトドア素材などとしても展開する。