今年20周年を迎える日本発「パドカレ(PAS DE CALAIS)」は、ブランド名の由来となった北フランスのパ・ド・カレ地方にあるルーブル美術館ランス別館とコラボレーションした商品を発売する。ランス別館を拠点とし、パ・ド・カレ地方の観光促進や地域振興を目的としたプロジェクト“オトゥール・デュ・ルーブル・ランス(Autour du Louvre-Lens以下、ALL)”の一環だ。ジャン・ミッシェル・アンドレ(Jean-Michel Andre)とモート・シナベル・アオキ(Mote Sinabel Aoki)、2人のフォトグラファーが撮り下ろしたパ・ド・カレ地方の風景をプリントした計7種類のストールをラインアップ。リネンやシルク、レース、カシミヤなどの素材を用いた同商品の価格帯は2万1000~2万9000円。コラボストールの他、「パドカレ」の商品、“ALL”のオリジナル商品が並ぶポップアップストアを3月28日~4月9日に東京ミッドタウンで、4月4~10日まで立川グランデュオと大丸神戸店で、13~22日に玉川高島屋1階イベントスペースでそれぞれ開催する。
“ALL”は日本を観光促進のターゲットの一つにしている。パ・ド・カレ地方への留学生や観光客数がヨーロッパ地域に次いで日本が多いことや、YKKなどの日本企業の同地域進出による雇用の創出、ランス別館の設計を妹島和世と西沢立衛による建築ユニットSANAAが担当したことなどが背景にある。今回のコラボの提案者であるパ・ド・カレ地方観光局のダイアナ・アウンスロー(Diana Hounslow)代表は「『パドカレ』とわれわれは同じ人間観、美意識を持っている。ブランドの“成熟した大人の女性のための自然素材を生かしたデイリーウエア”というコンセプトを知った時に是非一緒に仕事をしたいと思った。パートナーシップを結んでいることはもちろんだが、それ以上に友情も私たちの間にはある」とコラボの経緯を語る。
同ブランドを運営するギャラリー・ド・ポップの小林司・社長は「通常、パリの地方自治体と日本の1ファッションブランドがパートナーシップを結ぶことはないが、今回は“ALL”の熱烈なアプローチを受け、実現した。設立20周年を迎えた今年にブランド名由来の地であるパ・ド・カレ地方とコラボができたのは非常に感慨深い」と喜ぶ。
「パドカレ」は、10年前から欧米を中心に海外の販売を強化しており、現在ニューヨークとパリに旗艦店2店舗を構える他、世界21カ国、128の店舗を卸先に持つ。「今回のコラボは“ALL”のパ・ド・カレ地方をもっと知ってもらいたいという思いと、ブランドの国内外の認知を広げたいという思いが合致した。NYとパリの店舗で先行販売したが好調だ。日本でのポップアップストアにも“ALL”と『パドカレ』、双方のPRとして最大の効果が見込めるはず」。