資生堂はアメリカのラグジュアリービューティEC企業、ヴァイオレット グレー(VIOLET GREY)の少数株式を取得した。取引額は公開していないが、業界筋によると500万〜1000万ドル(約5億3000万〜10億6000万円)を投資したという。
3月初旬に開催した新3カ年計画の発表会で魚谷雅彦・資生堂社長兼最高経営責任者は、デジタライゼーションの加速を戦略の1つに掲げた。その中でヴァオイレット グレーへの投資を明かした。「われわれは(デジタル)についてまだまだ学ばなければならないことがたくさんある。ヴァイオレット グレーに投資することにより、eコマースのノウハウを得たい」と語った。資生堂のアメリカ地域本社で連結子会社のシセイドウ アメリカズ コーポレーションのスポークスマンは米「WWD」に対して「当社のブランドを扱うヴァイオレット グレーの少数株式を取得した。ヴァイオレット グレーのプレステージビューティに対するユニークなアプローチは、資生堂のEC戦略と通ずるものがある。ヴァイオレット グレーでのビジネスを拡大するだけでなく、彼らからラグジュアリービューティのEC業界について学べるだろう」とコメントした。ヴァイオレット グレーのコメントは得られなかった。
ヴァイオレット グレーは2013年にカサンドラ・グレー(Cassandra Grey)が立ち上げたサイトで、ハリウッドで働くヘアメイクアップアーティストが実際に使用し、評価するアイテムのみを販売している。毎シーズン多くの商品をアーティストに実際に試してもらい、評価が高かったものを厳選している。現在は資生堂傘下の「セルジュ ルタンス(SERGE LUTENS)」などを取り扱っている。また、昨年アマゾン(AMAZON)との提携のウワサが立っていた。年商は約500万ドル(約5億3000万円)とされている。