日本最大のファッション総合展示会「ファッション ワールド 東京 2018 春」が4日、東京ビッグサイトで開幕した。5回目の開催となる今回は、過去最多35カ国から832社が出展し、ウエア、バッグ、シューズ、アクセサリー、テキスタイル、OEM商材など約7万2000点の新作を展示している。会期は6日まで。
初日は10時の開幕と同時に多くの来場者を集め、盛況なスタートを切った。集客の多さの一因は、全38講演で構成されるセミナーで、同日午前中にはビームスの遠藤恵司・取締役副社長や、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)の小木“POGGY”基史「ユナイテッドアローズ&サンズ(UNITED ARROWS & SONS)」ディレクターが登壇した。
海外からは、フランスやポルトガル、中国などに加え、モンゴルやペルー、韓国などからも出展。初出展の米国靴ブランド「ロッキー(ROCKY)」のメーガン・ドリュー(Megan Drews)=インターナショナル・セールス・マネジャーは、「この見本市の魅力は“ダイバーシティー”。他の見本市と比べて出展企業の幅が広く、日本市場のリサーチにもつながると考えて選んだ」と言う。1932年に軍靴メーカーとしてスタートした「ロッキー」は、現在でも米国軍に年間80万足を販売しており、ハイテクも生かした実用性をウリに現在ではワークブーツやウエスタンブーツも取り扱っている。「日本のバイヤーは、製品の背景に関心を持ち、本物を見抜く目を持つ人が多いから話が早い。早い段階でディストリビューターを見つけられたら」と話す。
若手を中心としたデザイナーズブランドを集めたゾーンも特徴のひとつだ。4回目の出展となる「ヴェンヌ(BENNU)」の菅野裕二ディーイーエヌ社長兼クリエイティブディレクターは、「自分たちが見てもらいたいセレクトショップのバイヤーの数が回を追うごとに増えている実感がある」と言う。そのため、強みである手の込んだレザーアイテムやコートなど比較的価格帯の高い商品の反応が良いという。
また、出展企業の幅の広さが出展社同士の出会いにつながっているようだ。国内のアパレル工場や職人と、デザイナー企業のマッチング事業などを行っているシタテルの伊藤達彰ガーメンツ・プランナーは「 “名前は知っていたが、リアルな出展でどんな人たちが携わっているのかを知ることができた”といったコメントをもらうことは多い。手応えを感じている」と初日の手応えを話す。
会期は6日までで、本日5日のセミナーにはバーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)の鈴木春ウィメンズファッションディレクターや第一織物の吉岡隆治・社長が登場。干場義雅「フォルツァスタイル(FORZA STYLE)」編集長と前田陽一郎「レオン(LEON)」 ブランディングマネージャー兼「ウエブ レオン(Web LEON)」編集長の対談なども予定されている。