「メゾンキツネ(MAISON KITSUNE)」は4月6日、韓国発ブランド「アーダーエラー(ADER ERROR)」とのコラボコレクションを発売した。ローンチ記念パーティーに合わせてジルダ・ロアエック(Gildas Loaec)「メゾン キツネ」クリエイティブ・ディレクターと「アーダーエラー」メンバーが来日。アイテム発売日に密着した。
コラボ初日、「メゾン キツネ」代官山店を訪れると外観、内観ともにコラボモチーフで埋め尽くされていた。試着室のミラーに飾られたキツネとテトリスのマークに加え、パリのホテルで撮影された今回のコレクションのビジュアルも店内に大きく飾られている。“ツインガールズ(Twin Girls)”というコラボテーマを基に双子モデルが着用したビジュアルには、2つのブランドの共通点である“若さ”と“ストリート”をインパクトのある形で表している。
パリを拠点とするブランドと韓国ブランドの出合いはSNSだった。「今の時代はSNSでコミュニケーションを取れる。2、3年前からお互いのブランドを知っていて、1年前に『メゾン キツネ』からコラボの話をもらったんだ」と「アーダーエラー」スタッフが教えてくれた。デザインは「メゾン キツネ」のマーケティング・チームからリクエストが送られ、その後は「アーダーエラー」が主導で進めたそう。ジルダは「『アーダーエラー』はとてもクリエイティブでユニーク。ビジョンを持っているし、ブランディングやマーケティングに長けたブランドだと思っていて、キツネのロゴを彼らに託したら面白くなると思ったんだ」と語った。
さらにジルダは今回のコラボについて「『アーダーエラー』のオーバーサイズやジェンダーレスな世界は探検したかった分野なんだ。これまでのブランドコラボというのは『ナイキ(NIKE)』と『コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)』とか業種の掛け合わせが多かったけれど、今回はビジョンが共通するブランドのタッグという新しい形のコラボだ」とコメントする。
一方の「アーダーエラー」は匿名集団で運営されており、名前も顔も非公開。この日の取材でも撮影はNGとのこと。しかし、匿名集団というワードのイメージとは異なり、終始穏やかで気さくな人たちの登場に正直安心した。彼らに率直になぜ匿名なのか聞いてみると、「個人としてではなくブランドとしてファンとコミュニケーションを取りたいから。顔を見るとその人のバックグラウンドとか考えてしまうでしょ?それをしてほしくないんです」と教えてくれた。彼らいわく、世界の若者は自分が支持するブランドを求めていて、そのブランドをフォローしていくことが好きなのだという。その点では韓国も日本も、その他の地域も違いはないということだった。取材後、彼らはイベントのための設営に追われながらも、和やかな様子で準備をしていたのが印象的だった。
そうして、朝からコラボアイテムを発売していた代官山店は16時で一旦クローズされ、18時からは一般ゲストも参加できるローンチパーティーが行われた。パーティーのオープンと同時に品切れが続出。複数買いをする来店客も多かった。イベント中もジルダをはじめ、「アーダーエラー」メンバーが写真を撮り合うなど、にぎやかな空間を楽しんでいる様子だった。
イベントを締めくくるように、23時からは渋谷のサウンド ミュージアム ビジョン(SOUND MUSEUM VISION)で今回のコラボをテーマにした音楽イベント「キツネ クラブ ナイト(KITSUNE CLUB NIGHT)」が行われた。両ブランドのアイコンを合体した今回のコラボの限定ロゴもVJに登場し、JOMMYやBoys Get Hurt、フランスから来日したダリウス(Darius)らDJの音楽とともにフロアを盛り上げた。同様のイベントはソウルでも7日に行うといい、チームメンバーらは明日の朝一ソウルへ戻るという。