アッシュ・ぺー・フランス（H.P.FRANCE以下、アッシュ・ぺー）は、スペイン・ガリシアのドレスメーカー発祥ブランド「デ・デゥエ（D-DUE）」のクリエイターを起用した新業態エクスクルーシブ・バイ・アッシュ・ぺー・フランス（EXCLUSIVE BY H.P. FRANCE以下、エクスクルーシブ）をスタートしました。「デ・デゥエ」は、ロサリオ・フロハン（Rosario Frojan）とアルフレド・オルメド（Alfredo Olmedo）の2人によるブランド。大自然に囲まれたアトリエで素材やディテールにこだわった洋服や、リネンを用いたホームラインを提案しています。
アッシュ・ペーは世界で唯一の「デ・デゥエ」の旗艦店を青山に出店し、また彼らを起用したセレクトショップ兼ギャラリーであるエクスクルーシブを今年、ジェイアール名古屋高島屋内と大丸梅田店内にオープンしました。エクスクルーシブの店舗設計は、ロサリオの弟のホセ・フロハン（Jose Frojan）が手掛け、ガリシアの風土をそのまま伝える空間になっています。2月半ばに来日したロサリオとホセに、アッシュ・ペーとのコラボレーションやガリシアの魅力について、また、「デ・デゥエ」と2人3脚でモノづくりをするアッシュ・ペーの今井清貴さんにも「エクスクルーシブ」のコンセプトなどについて聞きました。
家族のようなパートナーシップから生まれた業態
「アッシュ・ペーの一員と考えてもらえ、新プロジェクトのディレクションに関われたことをとてもうれしく思う」とロサリオは話します。インタビューを行った青山の旗艦店も彼らがデザインしたもので、ガリシアから運んだものやオリジナルの什器などが置かれたこだわりの空間になっています。ガリシアの彼らのアトリエを何度も訪れている今井さんは「デザインや企画なども一方通行ではなく行ったり来たり、家族のようなパートナーシップ」と言います。「『デ・デゥエ』はコンセプトのブレがなく、洋服やホームコレクション、アルフレドによるグラフィックを施したショップカードやショッパーなど、さまざまなコンテンツがある」と語ります。
ガリシアの海と土を表現したグラデーションの壁紙
「デ・デゥエ」のウエアやホームラインのほか、「フロリアン（FLORIAN）」のジュエリーや「ミュールバウアー（MUHLBAUER）」の帽子などを販売する「エクスクルーシブ」の店舗の設計を行ったホセは「場所を見ずに設計するのは難しかったが、完成したショップを見たら想像通りでうれしかった。日本人の仕事のやり方は完璧、いや、それ以上のものを目指すから、とても仕事がやりやすかった」と言います。内装で一番こだわったのは壁紙。「ガリシアの海と土をネイビーから白のグラデーションで表現した」といいます。
ガリシアの素朴な魅力を360度感じられる空間
ガリシアは、サンティアゴ巡礼の最終地サンティアゴ・デ・コンポステーラがあるスペイン北西部の州。アパレルメーカーのザラ（ZARA）の本拠地で、また縫製業や漁業などが盛んな土地です。ロサリオは「ガリシアは巡礼地でもあり、大西洋に面しているので、さまざまな国から影響を受けている。イギリスやアイルランドなどいろいろな文化が混ざりあっている。自然や海を愛しむ文化は日本と似ているかも。『エクスクルーシブ』はガリシアを360度感じられるはず」と話します。海が近いということもあり、「デ・デゥエ」のアイコニックなアイテムはセーラーシャツやフィッシャーマンコートの他、ハンドステッチによるタコのモチーフが施されたものもあります。ロサリオは「『エクスクルーシブ』でガリシアの素朴なライフスタイルや空気感を感じてもらえれば」とほほ笑みました。「エクスクルーシブ」では、スペイン語講座やフラワーワークショップなども開催するそうです。モノだけでなく、体験も提供するコミュニケーション・スペースとしても注目が集まります。
