三越伊勢丹ホールディングスは5日、東京・国分寺のショッピングセンター(SC)「ミーツ国分寺」を7日の開業に先駆けて関係者に公開した。中央線・国分寺駅に完成した駅ビルの1~4階・約9000平方メートルに49店舗が入る。同社は昨年春に就任した杉江俊彦・社長のもと、不動産業を成長戦略の一つに掲げている。杉江社長は「郊外型、地元密着型のSCのモデルになればいい」と期待している。
同社の子会社でファッションビル「アルタ」などを手掛ける三越伊勢丹プロパティ・デザインが運営する。テナントは日常使いできる食、雑貨、衣料品などで構成され、グループのスーパー「クイーンズ伊勢丹(QUEEN'S ISETAN)」、化粧品ショップ「イセタンミラー メイク&コスメティクス(ISETAN MIRROR MAKE & COSMETICS)」が入るほか、「ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング(GREEN LABEL RELAXING)」「東急ハンズ(TOKYU HANDS)」「トランスコンチネンツ(TRANS CONTINENTS)」などを誘致した。
百貨店の競合であるJ.フロント リテイリングや高島屋がテナントから家賃を得る不動産事業を収益の柱にしているに対し、三越伊勢丹HDは出遅れていた。具体的な計画は明らかにしていないが、今後も有望な立地があればSCでの出店を検討する。低迷する地方や郊外の百貨店のテコ入れ策として、一部をSCに切り替えることも視野に入れる。杉江社長は「単にリーシングするのでは専業のイオンモールや三井不動産にかなわない。(今回導入した)『クイーンズ伊勢丹』『イセタンミラー』だけでなく、(プライベートブランドの)『BPQC』『クロージング(CLOTHING)』などグループの独自コンテンツを入れることで差別化していきたい」と話す。