瀧定大阪の2018年1月期の業績(瀧定大阪とスタイレムの2社連結)の純利益は、8億1900万円(前期は286億円の損失)だった。前期は約220億円のデリバティブ損失に加え、同社が“消費ブランド事業”と呼ぶブランド及び小売り事業の減損損失などを計上していたが、18年1月期に「オリーブ・デ・オリーブ(OLIVE DE OLIVE)」など苦戦の続いていたブランドをほぼ売却。構造改革にメドを付けた。瀧隆太・社長は「ほぼ期初の計画通りに進められた。今後は服地卸とOEM(相手再ブランド生産)に経営資源を集中させるが、これまでのリテール事業で培ってきた知見を生かし、地に足の着いた経営を進めていく」と語った。売上高は前期比0.1%減の834億円、営業利益は同4.8%増の10億9200万円、経常利益は同29.8%減の13億4000万円だった。
売上高の9割以上を占め、服地卸とOEMを展開するサプライヤー事業(グループの単純合算、海外事業なども含む)は売上高が同2.3%増の949億円、営業利益が同12.5%減の10億3500万円だった。サプライヤー事業を展開する事業会社スタイレムの酒向(さこう)正之・社長は「中国を筆頭に、欧米市場で現地子会社が展開するテキスタイル事業は絶好調で、売上高は前期比10%増になり、100億円を突破した。一方でOEMは苦戦した。国内のアパレル市場は縮小トレンドが続いており、服地卸だけでは顧客が限られてしまうため、OEM事業は必須。縫製工場を集約し、立て直す。ただ、国内でも新しいプレイヤーが誕生している。まだまだ全体をカバーするほどではないが、成長スピードは早く、明るさも少しずつ見え始めている」と語った。