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エースホテルが日本上陸へ、隈研吾とウィルソン社長が魅力を語る

 米国発のエースホテル(ACE HOTEL)の日本上陸がついに正式発表された。事前情報通り、NTT都市開発(以下、NTT)と運営委託契約を結び、NTTが再開発する京都・新風館の核施設として進出するもの。複合商業施設全体の建築デザインは、隈研吾建築都市設計事務所が担当する。

 コミュニティー形成型カルチャーホテルともいえるエースホテルは、クリエイターやアーティストのファンも多い。今回、建築デザインを手掛ける隈研吾もその一人だ。「今回は『つなぐ』をテーマにデザインした。エースホテルは地域をつなぐ、新たな空気感のあるホテルだ。私も大ファンだ。クリエイティブな人、ミュージシャンが泊まりたくなる雰囲気がある。単なるラグジュアリーさとは違う価値を発信している。世界のホテルに革命を起こしたと思う。特に1階のスペースは街からつながったストリートの延長のような空間になっているのがいい。今回もそういうものを目指した。そこで仕事もできるし、友達と会ってもいいし、リラックスしてずっといたくなる雰囲気を作れれば」と語る。

 来日したブラッド・ウィルソン(Brad Wilson)エースホテル社長は、「創業者がミュージシャンやクリエイターらが滞在できるような、そして、地元に密着できる場所を目指して、シアトルのベルタウンから始めたのがエースホテルだ。今、9つになったが、エースホテルにとってのホテルとは、『文化的好奇心を呼び起こすもの』で、『その場所への愛着と地域とのコラボレーションを実践する場所』だ」と説明。さらに、「日本に拠点を持つことは長年の夢だった。ミナミケンゾウ(KENZO MINAMI)やトラベラーズカンパニー(TRAVELERS COMPANY)、エンダースキーマ(HENDER SCHEME)、ビームス(BEAMS)やポーター(PORTER)など、われわれが尊敬する企業やクリエイターとも協業してきた。隈先生と創業者の故アレックス・カルダーウッド(Alex Calderwood)は10年来の友人だった。NTT都市開発とわれわれは、ぞれぞれ地域を活性化するコミュニティーづくりに貢献してきており、ともにこのプロジェクトに取り組める機会に感謝している。今回は、創業した西海岸のルーツを京都の街のエネルギーと結び付け、東西の出合いの概念“EAST MEETS WEST”をコンセプトにしたい」と続ける。

 日本だけでなくアジアの初進出地として京都を選んだのにも特別な思いがある。「黒澤明・監督やヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)監督、(詩人で自然保護活動家の)ゲーリー・スナイダー(Gary Snyder)、さらには、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)やデヴィッド・ボウイ(David Bowie)など、多くのクリエイティブな人々にインスピレーションを与えてきた」だけでなく、「創業者のアレックスがユーズドジーンズを売ったのが最初のつながりだった。東京も好きだがビジネス・キャピタルであり、われわれがインスピレーションを受けるのは、やはり、カルチャー・キャピタルである京都であり、アジアで初めてのホテルは京都に作りたかった」と思い入れを語る。

 現在、シアトル、ポートランド、ニューヨーク、パームスプリングス、ロサンゼルス、ロンドン、ピッツバーグ、ニューオリンズ、シカゴの9カ所で営業中だ。“エースホテル風”のホテルも増えたが、「エースホテルにインスピレーションを受けたと言っていただくことはありがたいこと。でもわれわれはクリエイティブなバックグラウンドを持つ人間が集まって作り上げたホテルであり、手作り感があり、全てのホテルが違う趣になっている。常にローカルのアーティストやシェフなどと協力して作り上げている。しかも、これまでの経験やノウハウもあるため、他の人にはまねできないものになっている」と自負する。

 京都では、213室を予定。開業は2019年末を計画する。

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