靴のナイン・ウエスト・ホールディングス(NINE WEST HOLDINGS)が日本の民事再生法にあたる連邦破産法第11章の適用を米ニューヨーク・マンハッタンの裁判所に申請した。申請によると、同社の資産は現在5億から10億ドル(約530億〜1060億円)。対して負債は10億から100億ドル(約1060億〜1兆600億円)に上るという。同時に10の関連会社も破産法適用を申請した。関連会社の1つ、ワン・ジーンズウエア・グループ(ONE JEANSWEAR GROUP)は、ジェシカ・シンプソン(Jessica Simpson)が手掛けるブランドも保有している。
ナイン・ウエスト・ホールディングスは破産法の適用申請について、「『ナインウエスト』事業の売却を進め、『アン・クライン(ANN KLEIN)』をはじめとする利益を生むビジネスに集中するため」とコメントしている。『ナインウエスト』はマネージメント企業のオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)に売却予定だ。ABGは司法による競売を主導する。
ラルフ・スチパ二(Ralph Schipani)最高経営責任者は、「広汎な我々のビジネスにおいて、選択と集中を図るための正しい戦略だ。ジュエリー、デニム、そしてアパレル事業を新体制の下で続けることで、さらなる成長を図りたい。再建策がうまくいけば、有利子債務は大幅に削減できる」と話す。スチパ二CEOによると、同社の2017年の売上高はおよそ16億ドル(約1700億円)。「ナインウエスト」にまつわる債務も16億ドル程度という。不調の主因はアメリカの百貨店が低迷していることに加え、アジアや中東の小売市場の変化、商品のクオリティとデザインの不備と話す。
「ナインウエスト」は日本では、大丸松坂屋が独占販売契約を結び販売している。