イオンモールの2018年2月期連結決算は、売上高に相当する営業収益が前期比6.8%増の2881億円、営業利益が同9.5%増の492億円だった。3年連続で増収増益を達成した。
増収増益を後押ししたのは、海外事業の赤字の減少だ。中国とASEAN諸国の海外既存モールの売上高が2ケタ成長。海外事業の赤字が前期の37億円から8億円へと大幅に縮小した。中国は13モール中8モールが黒字化、ASEANは6モールすべてが黒字化した。
国内のモール事業では、既存モールの売上高が同2.2%増だった。16年度から強化している増床リニューアルのモールの売上高は4.5%増。地域ナンバーワンモールを掲げて、モノとコトの両輪を拡充する戦略に吉田昭夫・社長は自信を深める。「米国ではECの進展によるデッドモールの増加が話題となっているが、その大きな理由は物販中心の経営をしていること。日本ではお客さまの来店動機のために、物販以外にもレジャーの要素を取り入れている。それが実現できるのは、一定以上の規模を持つモールだからこそだ」。
国内については既存モールの増床リニューアルに注力し、今期(19年2月期)の営業収益は前期比11.1%増の3200億円、営業利益は8.7%増の535億円を見込む。4月27日に広島にオープンする予定の地域創生型モール「ジ・アウトレット(THE OUTLET)」などをはじめとする新規モールで新たな国内需要の発掘を計画している。