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岡本仁がマニアックな鹿児島ガイド本 “鹿児島案内”シリーズ第3弾「みんなの鹿児島案内」を発売

 
 編集者の岡本仁が、鹿児島をテーマにした書籍「ぼくの鹿児島案内」「続・ぼくの鹿児島案内」(ランドスケーププロダクツ)シリーズの第3弾「みんなの鹿児島案内」を4月23日に発売する。価格は1500円。同シリーズは、個人の視点でローカル情報を丹念に拾い歩いたユニークなガイド本で、2014年から3年間、グッドネイバーズ・カレッジという“創る力を創る”をテーマにした、編集ワークショップを鹿児島で開催してきた。

 最新作は、ワークショップの一環で鹿児島のフリーマガジン「ジャッド(Judd.)」を編集した経験を生かし、17年春に募った24人の受講生と共に制作した。より広域の鹿児島県をカバーし、生活に密着した情報を集めたワークショップ版の鹿児島案内になっている。

 岡本は最新作の発売について「数年前に銀座メゾン・エルメスで、シャルル・フレジェ(Charles Freger)の写真展を観た時に、彼が撮影した日本各地の歳神や、祭事に登場する妖怪たちのポートレイトの中で、印象に残ったのは鹿児島県トカラ列島にある悪石島の妖怪ボゼだった。ぜひこの目で見てみたくなったが、同時にぼくが鹿児島港からフェリーに11時間ゆられて悪石島に行くことはないだろうと思った。『ジャッド』というフリーマガジンをワークショップ形式で編集・制作した。参加者のひとりが悪石島のボゼを取り上げたいという企画を出し、真夏に取材を敢行してきた。ボゼ祭りの様子を彼とアートディレクターが撮影した写真で見ているうちに、ある考えが浮かんだ。ぼくひとりではすべてを見て歩くことが不可能なほど鹿児島は広い。だったら、鹿児島を愛する人たちが、誰かに見てもらいたい場所や、味わってもらいたい食べ物や、感じてもらいたい気風などを、ぼくを介さずに書くのはどうだろうかと。1人では掘り切れないのだったら、みんなで掘ればいい。その結果が、この『みんなの鹿児島案内』。熱い思いを持った人たちが集まって、ワークショップ形式で新しい鹿児島案内を制作した」と制作の経緯を語った。

 岡本仁は、1954年北海道生まれ。マガジンハウスで「ブルータス(BRUTUS)」「リラックス(relax)」「クウネル(ku:nel)」などの編集に携わった後、2009年にランドスケーププロダクツに入社。「BE A GOOD NEIGHBOR」プロジェクトなど、同社のカタチのないもの担当。著書に「今日の買い物」(プチグラパ ブリッシング)、「果てしのない本の話」(本の雑誌社)などがある。現在、「暮しの手帖」で「今日の買い物」、「アンド プレミアム(& Premium)」で「果てしのない本の話」を連載中。

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