スウェーデン発の「イケア(IKEA)」が高齢化社会を背景に人間工学に基づいて開発された新コレクション“オムテンクサム(OMTANKSAM)”をお披露目した。“オムテンクサム”は日本とスウェーデンの外交関係樹立150周年を記念して開催される認知症がテーマの「Dementia Forum X」に合わせて発表された新作で、“あらゆる人により快適な暮らしを届けたい”という思いが込められている。
同コレクションは「イケア」のデザインチームが人間工学の専門家や作業療法士、介護業界の研究者らとともに開発された。第1弾として立ち上がりやすい快適なアームチェアやクッション、カーペット、耐久性に優れた滑らないプレート、握りやすいカトラリー、滑り止め付きのコースターなどのアイテムを発表。まずは少数のアイテムからスタートし、今後はバスルーム用のアイテムなどを増やす計画だ。
ブリット・モンティ(Britt Monti)=イケア クリエイティブ・リーダーはコレクションについて、「高齢化社会に置いて、人々は歳をとっても家で過ごすということが増えてきたが、家での暮らしは必ずしも安全、親切ではない。しかし、多くのプロダクトメーカーはこういった分野に取り組んでおらず、これまで高齢者は高額でデザイン性の高くない商品を専門店で探す必要があった。そこで、『イケア』はこれまでとは異なるアプローチをとり、低価格で製品化をしなければいけないと考えた。加えて、高齢者や認知症患者だけをターゲットにするわけではなく、すべての人にとって使いやすい製品を意識した。われわれはこれを“ユニバーサルデザイン”ではなく、“インクルーシブ(包括的な)デザイン”と呼びたい」と説明した。