「アメリカン アパレル(AMERICAN APPAREL)」はアメリカに続き、日本をはじめとする世界各国でECサイトを4月24日に再開した。同ブランドのEC事業を手掛けるのは2016年に破産申請したアメリカン アパレルの知的財産権を17年に買収したギルダン・アクティブウェア(GILDAN ACTIVEWEAR)だ。
サビナ・ウェーバー(Sabina Weber)=アメリカン アパレル マーケティング・ディレクターは「売り上げは非常に好調だ。アメリカでの顧客のポジティブな反応で、人々に心から愛されているブランドだと証明でき、世界各国でECサイトを復活させることにつながった。実店舗の復活についても検討中だが、まだ検討し始めたばかりの段階で、具体的なことはほとんど決まっていない」と語る。
世界でのEC事業拡大に伴い、米EC復活の時にスタートしたSNSの広告キャンペーン“Back to Basics”を再び打ち出す。キャンペーンではダイバーシティーを重視するとともに、21歳以下のモデルは起用しない方針だ。「過去から学び、そこから進んでいくべき教訓があることを素直に認める姿勢をとりたい。認めることで透明性と誠実さを見せたい」とグローバル市場でのコミュニケーション方法についてウェーバー=マーケティング・ディレクターは見解を語る。イギリス、韓国、カナダなど過去に業績が良かった国がキーマーケットになると予想する。
ギルダン・アクティブウェアは、2月の決算会見で18年の「アメリカン アパレル」の売上高は17年の倍の1億ドル(約107億円)を見込んでいるとしている。アメリカン アパレルの本社はかつての工場からほど近いロサンゼルスのダウンタウンにあり、マーケティング、商品開発、デザイン、素材調達を担う約40人の社員が働いている。
アメリカン アパレルの日本での事業は05年にスタートしたが、アメリカでの破産法申請に伴い16年12月に撤退した。17年1月にギルダン・アクティブウェアが買収した後は、18年から日本法人のギルダンブランズ・ジャパンが法人向けの卸売を開始するとしている。
一方、セクハラ騒動などが原因で同社を解雇されたダウ・チャーニー(Dov Charney)=アメリカン アパレル創業者兼元最高経営責任者は、16年に「ロサンゼルス アパレル(LOS ANGELES APPAREL)」を立ち上げ、17年末にECサイトをオープン。19年に実店舗もオープンする予定だという。