百貨店大手5社の4月度の売上高(既存店ベース)は、先月に続き全社がプラスで推移した。三越伊勢丹が前年同月比1.8%増、高島屋が同2.9%増、大丸松坂屋百貨店が同5.4%増、そごう・西武が同0.4%増、阪急阪神百貨店が同7.9%増だった。引き続きインバウンド(訪日客)による免税売上高が高止まりしていることに加え、ラグジュアリーブランドや化粧品がけん引している。
衣料品は気温の上昇に伴い、ワンピースやブラウスなどの夏物の動きが活発だった。一方で「例年よりも2週間ほど季節の変化が早かった」(そごう・西武)、「本来この時期にもっと売れるはずの春物のジャケットやセーターが苦戦した」(三越伊勢丹)。単価の低い夏物へと売れ筋が一気に移ったこともあって、婦人服は三越伊勢丹(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の基幹3店)が同4%減、大丸松坂屋が同2.1%減、高島屋が同3.9%減と振るわなかった。
免税売上高は三越伊勢丹(基幹3店)が同20%増、高島屋が同23.7%増、大丸松坂屋が同50%増、そごう・西武が同約2割増、阪急うめだ本店が同6割増とかさ上げされている。訪日客と国内富裕層による高額商品の消費の勢いは衰えず、特選の売上高は三越伊勢丹(基幹3店)が同13%増、高島屋が同12.9%増、大丸松坂屋が同12.1%増だった。