4月14日にツイッターアカウントを復活して以来、せきを切ったのようにドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領、愛、自由思想などあらゆるトピックについてのツイートを連投しているカニエ・ウェスト(Kanye West)だが、そんな大量のツイートの中で、自身がアディダス(ADIDAS)と協業して手掛けるブランド「イージー(YEEZY)」を、教育や住居、フード、コミュニケーションブランドに成長させる意向を示した。また、同ブランドをベンチャーキャピタル化させることも検討しており、すでに3つの企業に投資したことも明らかにした。
アディダスがこのベンチャーキャピタルと関係しているのかどうかについてアディダスからコメントは得られなかったが、カニエのツイートからは、「イージー」を単なるアパレルブランド、スニーカーブランド以上の存在に拡大させたい意向は明らかだ。カニエは「ギャップ(GAP)」のサプライチェーン部門を統括していたデボラ・パーマー・カイザー(Deborah Palmer Keiser)を「イージー」に雇い入れ、同ブランドを手に取りやすい価格にしたいとツイートした他、人員採用を強化しており、2018年末までに160人を雇いたいと語っている。
カニエは以前から「イージー」を皆が手に取れるブランドにしたいと語っていたが、これはカニエの友人でもあるヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任したこととは正反対の動きだ。
さらにカニエは、5月1日に自身のユーチューブチャンネルにアップしたラジオプレゼンテーターのシャルルマーニュ・ザ・ゴッド(Charlamagne Tha God)とのインタビュー動画で、「ルイ・ヴィトン」などを擁するラグジュアリーコングロマリット、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者と「イージー」の契約について協議したこともあったが、その話は流れ、自身とラグジュアリー業界の関係が緊張をはらんでいることも明らかにしている。
「イージー」の戦略の他、ペイパル(Paypal)創業者の1人でもある投資家兼起業家のピーター・ティール(Peter Thiel)と会談したこともツイートで明らかにしており、自身の起業家的側面を強化しているようだ。
16年6月、アディダスはカニエとのコラボレーションを拡大し、「アディダス + カニエ・ウェスト(ADIDAS + KANYE WEST)」を立ち上げ、ストリートからパフォーマンスまで幅広いジャンルのフットウエア、アパレル、アクセサリーを発表していくとし、コラボラインのアイテムを取り扱う店舗の出店も検討していたが、契約の条件やカニエがどのようにビジネスに関わっているかは依然として不明のままだ。