ベイクルーズグループのイエナ(IENA)がエクスクルーシブで展開するフランス発ブランド「ルージュ(ROUJE)」を手掛けるジャンヌ・ダマス(Jeanne Damas)が来日した。インスタグラムで70万以上のフォロワーを持つイット・ガール。オンラインのみで販売する「ルージュ」が初めて実店舗で販売されるとあって、多くのファンが駆け付けた。「WWDジャパン」は、ダマスにブランドのこと、初の実店舗として日本、そしてイエナを選んだ理由について聞いた。
WWD:幼いときから洋服を作りたかったのか?
ジャンヌ・ダマス(以下、ダマス):モードが根底にある、パリで生まれ育ち、母もとってもおしゃれな人でした。小さい時は人の話を聞くのが好きで心理学者になりたいと思っていました。でも13~14歳のころ、近所に40歳ぐらいのスタイリストのお姉さんがいて、その人のアトリエで服ってこんな風に作られているんだとか、バックステージにも入れてもらったりして、それで服に興味を持ちました。
WWD:「ルージュ」のコンセプトは?
ダマス:私にとってモードは、流行を追求することではないの。ナチュラルに着心地がよい美しいモノを作りたい。コレクションは私のワードローブそのもの。日本の女性を含め、確かにみんなパリにあこがれを持っていると思います。自分自身であること、シンプルであることに共感が生まれていると思います。ジェーン・バーキン(Jane Birkin)だってそう。彼女はいつも同じスタイル。流行じゃないところがあこがれになっている。
WWD:初の実店舗として「イエナ」を選んだ理由は?
ダマス:フランスでやることには興味がなかったの。実はECでは韓国の売り上げは大きいのに、日本の売り上げはあんまりで。日本の人は実際に触って見てみないと買わないのかなと思って。日本では誰かが良いと言って流行るとは私は思っていません。最初は大変だと思うけど、きちんと知ってもらえたらきっといいと思ってもらえると思います。ポップアップを行ったメゾン イエナ(MAISON IENA)に初めて来たとき、居心地が良く、置いてある服も自分に合うなと思いました。
WWD:日本のカルチャーに興味があると聞いた。
ダマス:村上春樹の小説をよく読んでいました。バーでたばこを吸うシーンや美しい自然の描写など詩的で好きでした。でも実際、日本に来ると意外にもモダンで、アングラな場所もあります。渋谷で、レコードが壁一面に並べてある居酒屋に行きましたが、店の人もお客さんもみんなかっこよくて。今度は京都にも行ってみたいです。
WWD:イット・ガールと呼ばれることについてどう思うか?
ダマス:なろうとしてなったわけではなく、昔から写真を撮ってアップしていて、それが自然なこと。インスピレーション源はさまざまですが、週末はよく映画を観に行きます。最近観た、イタリアが舞台の映画「Call Me by Your Name」がスタイリッシュで、音楽も素敵でした。また毎晩、父のレストランで食事をするのですが、そこのシェフは日本人で料理が本当においしいです。クリエイターにとって、常に新しいことに触れて刺激を受けること、それを子どもみたいに面白いと思っていることは、とっても大切なことだと思っています。
WWD:将来の夢は?
ダマス:パリやニューヨークにブティックをオープンしたいと思っています。ホテルのようだったり、ちょっとライフスタイルが感じられる場所にしたいと考え中です。