伊藤忠商事の繊維カンパニーは、ECの拡大やIoT(モノのインターネット化)、スマートファクトリーなど、ファッションテックを軸にした新規ビジネスの創出を本格化する。小関秀一・専務執行役員繊維カンパニープレジデントは、「従来型のビジネスへの投資は控え、新規ビジネスに打って出る。やるなら思い切った投資を実行する」と語り、3年後の2020年度には現在はほぼゼロに近いファッションテック関連で純利益の3割を稼ぐ方針だ。
同社の繊維部門は2019年3月期に純利益320億円を計画している。今年度から3年間の中期経営計画をスタートしており、具体的な目標は掲げていないものの、以前から繊維カンパニーは純利益500億円の達成を一つの目安にしており、ファッションテック関連では3年で100億〜150億円の純利益の創出を目指していると見られる。
すでにアパレルOEM(相手先ブランド生産)やベトナムでの海外生産を手掛けるファッションアパレル部門ではスマートファクトリーの構築に着手しており、海外のシャツ工場では生産工程全体の7割を自動化しているという。今年度からはサステイナブル関連の素材メーカーや新しいSNSを立ち上げるスタートアップ企業への出資など、新規分野への投資を積極的に行う。