2017年11月18日に心不全で死去した「アズディン アライア(AZZEDINE ALAIA)」のデザイナー、アズディン・アライアの展覧会「アズディン アライア:ザ クチュリエ(Azzedine Alaia: The Couturier)」がロンドンのデザイン ミュージアム(Design Museum)で5月9日に開幕した。同展は10月7日まで開催される。
展覧会では、螺旋状のジッパーロングドレスや艶のあるレザードレスなど、アライアを代表する作品60点以上をテーマごとに展示。展示スペースを分けるパーティションは、ロナン・ブルレック(Ronan Bouroullec)とエルワン・ブルレック(Erwan Bouroullec)兄弟や、コンスタンティン・グルチッチ(Konstantin Grcic)、マーク・ニューソン(Marc Newson)、クリス・ラズ(Kris Ruhs)らアライアの友人アーティストによって、それぞれのスペースに展示された作品からインスピレーションを受けて制作されたものだ。
生前のアライア本人と共に展示品を収集したマーク・ウィルソン(Mark Wilson)=フローニンゲン美術館チーフキュレーターは、「この展覧会を“回顧展”とは呼ばないでほしい。わずか850平方メートルしかないスペースで回顧展などできない。この展覧会はいわばインスタレーション。私の中では“アライアの寺院”だ。完璧主義者であるアライアのカッティングや縫製の技術など全てのディテールにフォーカスした。彼がどのようにコレクションを洗練させたのかを、すべての面から見ることができる」と語る。
アライアをテーマにした展覧会は開催中のものを含め、3つが進行中だ。パリのアライアの自宅兼アトリエでは「アズディン・アライア『私はクチュリエ』(Azzedine Alaia “Je suis Couturier”)」が6月10日まで開催中で、さらにアズディン・アライア・アソシエーション(Azzedine Alaia Association)共同創立者のカルラ・ソッツァーニ(Carla Sozzani)=ディエチ コルソコモ(10 CORSO COMO)創業者の主催で、コレクション前の12カ月を追った展覧会「The Alchemy of a Collection」もパリで7月に開幕予定だ。
なお、デザイン ミュージアムでは同時期にロエベ財団(Loewe Foundation)が主催する「ロエベ クラフト プライズ 2018(LOEWE FOUNDATION CRAFT PRIZE)」ファイナリストの作品も展示されている。