2017年3月に三越伊勢丹ホールディングスの社長を電撃退任した大西洋氏(62)が、羽田空港の旅客ターミナルを運営する日本空港ビルデングの副社長に6月末に就任する。空港内のテナントの誘致や運営など、大西氏の知見や人的ネットワークを生かし、商業施設部門の強化につなげる。
大西氏は三越伊勢丹HD退社後の昨年7月、日本空港ビルデングの特別顧問に就いていた。大西氏は三越伊勢丹HD社長時代に、羽田空港内にサテライトショップ「イセタン羽田ストア」を出店したり、三越銀座店内に空港型市中免税店を運営する会社を日本空港ビルデングと合弁で設立したりするなど、連携してきた。大西氏は4人いる副社長の1人として社長補佐と事業開発推進総括を担当する。
日本空港ビルデングは羽田空港以外にも成田国際空港や中部国際空港の一部で店舗を運営している。インバウンドの急増に伴い、商業施設部門の業績は右肩上がりが続いている。18年3月期の売上高に相当する営業収益は、物販販売業で前期比12.7%増の1486億円だった。20年の東京五輪に向けて玄関口となる羽田空港の商業施設は今後も成長が期待されている。