阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)の2018年3月期の売上高が、前期比9.0%増の2403億円に達した。12年11月の阪急うめだ本店の建て替え開業以来、販売動向を見ながらスピーディな改装を何度も実施。ファッションを中心にじわじわと売り上げを伸ばし、実質初年度の14年3月期の1922億円から481億円上積みさせた。今期(19年3月期)は前期比4.5%の2510億円を予想するが、荒木直也・阪急阪神百貨店社長は「(中長期的には)2600億~2700億円という数字は当然目指していく」とその先を見据える。達成すれば、日本一の売上高を誇る伊勢丹新宿本店(18年3月期2741億円)に肉薄する。
阪急本店の商品別売上高は、婦人服が同6%増、ラグジュアリーブランドが同13%増、化粧品が同24%増となった。勢いを象徴するのが3階の婦人モードのゾーンで、デザイナーブランドからガールズブランド、ジュエリー、雑貨、化粧品などを混在させた構成が買い回りを促し、同16%増で推移する。荒木社長は「業界の垣根を越えて作った売り場が30代から50代まで幅広い女性の支持を得ることができた」と自信を深める。これまでは婦人服や雑貨など低層階の改装に力を注いできたが、今後はリビングや子ども服、飲食など中・上層階の改装にも取り組み、さらに底上げを図る。
親会社エイチ・ツー・オー リテイリングの18年3月期は、売上高が前期比2.3%増の9218億円、営業利益が同1.0%増の227億円。そのうち阪急阪神百貨店を核にした百貨店事業は売上高が同4.3%増の4462億円、営業利益が同12.7%増の180億円だった。免税売上高が同1.6倍の268億円に急伸した。売上高の約半分を稼ぐ阪急本店以外でも博多阪急、西宮阪急、阪急メンズ東京などが好調に推移した。