銀座三越は、人気陶芸作家の鹿児島睦が手掛ける浴衣を発売した。鹿児島が浴衣を手掛けるのは初という。愛媛・松山の道後温泉で行われているアートフェスティバル「道後オンセナート2018」と三越、鹿児島のコラボレーションで企画し、銀座三越、松山三越で販売する他、オンセナート期間中は道後温泉でレンタルも行っている。
鹿児島は、道後温泉と銀座の街から着想して新柄を描いた。四国の民話によく登場するというタヌキを描いた柄と、松山出身の歌人、正岡子規の短歌をもとにしたレトロな花柄、モダンな草花柄の3柄で、各2色を企画。浴衣の伝統技である注染で染め上げた。既製品の浴衣で3万8000円。反物や手ぬぐいも販売している。
鹿児島の食器類は三越伊勢丹で販売実績がある。「動植物を中心とする鹿児島さんの図柄は、浴衣に落とし込んだ際にお客さまに喜ばれると考えた」(三越伊勢丹広報)ことから、鹿児島に製作を依頼したという。
夏に向け、銀座三越は9階の銀座テラスに浴衣売り場を設けた。8月21日まで。同様の催事は毎年行っているが、「花火大会だけでなく、友人同士の食事会で浴衣を着るといった動きが広がっている。昨年は会期を8月下旬まで伸ばしたこともあって、花火大会以外の需要も取り込んで非常に好調だった」。それを受け、今年も昼の街歩きなどに対応できる明るい色柄の浴衣を充実している。8月5日には、銀座が街をあげて毎年行っているイベント「ゆかたで銀ブラ」も行われ、銀座三越も浴衣の需要喚起を目指す。