ファッション

「数年後に日本の半数が使う採寸サービスに」 米発「オリジナルスティッチ」が描くカスタマイズの未来

 米国シリコンバレー発のオーダーシャツ専門ECサイト「オリジナルスティッチ(ORIGINAL STITCH)」を運営するオリジナル社が、A4用紙を衣服の上に置き、写真を撮るだけでその寸法を測定できる画期的なAI採寸アプリ「メジャーボット(Measure Bot)」をローンチした。もともとカスタマイズシャツブランドとしてスタートした同社だが、今回の「メジャーボット」をはじめ、全身サイズをたった2枚の写真から採寸できる「ボディグラム(Bodygram)」といったAIサービスを立て続けに発表している。同社が目指す企業像から今話題の“採寸テクノロジー”まで、来日中のジン・コー(Jin Koh)創設者兼最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。

WWD:あらためて、オリジナル社創業の経緯とは?

ジン・コーCEO(以下、コー):これまでテック系のサービスばかりを手掛けてきたが、ファッションはこれが初めてだった。ファッション業界は消費財の中でも大きなシェアを占めているにもかかわらず、テクノロジーがほとんど導入されていない。パーソナライズ、カスタマイズという概念が広がりはじめた中で、ファッションはまさにホワイトスペースだった。

WWD:最初のプロダクトはなぜオーダーシャツブランドだったのか。

コー:誰もがパーソナリーティーを持っていて、着るものによって誰もが自分のスタイルを表現することができる。“WEAR YOUR STORY”をコンセプトに、自分自身でシャツのデザインをすることで、自己表現をしてもらいたいという願いがあった。商品としてシャツを選んだのは、自分がほしいと思ったから。シャツは既製品を買うかテイラーに依頼するかの2択だが、オーダーメードでシャツを作るには費用も時間もかかってしまう。テクノロジーでこれを解決できると考えた。

WWD:「オリジナルスティッチ」の生産体制は?

コー:オンライン発注後、10日〜2週間で商品が届く。この納期を実現するためには、簡単に自分のサイズで商品を注文できるアプリ技術に加えて、ユーザーが作成したデータをリアルタイムに生産に回すことができる工場の体制が必要だった。シャツの生産は全て日本で行っており、現在はフレックスジャパン、シャツメーカーの山喜と提携し、世界に向けて発送をしている。

WWD:これまでアパレル経験がない中で、日本で工場との生産体制を構築するのは大変だったのでは?

コー:大変だった。当時、2〜3週間はフレックスジャパンに寝泊りして生産体制を学んだほどだ(笑)。生産について知ることで、どのように当社のサービスを連携させればいいかがわかり、最短で生産を行える仕組みを共同で生み出すに至った。工場とのチームワークはとても重要だ。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。