オンワード樫山は、2016年春夏に休止したファッションブランドの「フィールド ドリーム(FIELD DREAM)」をファミリー向けの新業態として復活させる。18年秋からショッピングセンター(SC)を中心に出店していく。ブランドのターゲット層は20代後半~40代のニューファミリーで、個人、コミュニティー、家族、仲間を大切にする“ココカナ世代”。アプリと連動したデジタルサイネージなどを設置した店内で、2週間ごとに変わるコトイベントを提案する。店舗面積は平均約247平方メートル。今年中に全国のSCへ約15店舗の出店を計画し、近い将来50店舗体制にする考え。売り上げは1店舗につき年間約1億円を目標にする。
目玉は、デジタル化した店頭の作りだ。店頭とECの両方での販売を促すため、店頭の中央にはデジタルの大型タッチパネルとタブレットなどを構えたコミュニティースペースを用意している。大型タッチパネルではAI(人工知能)によるチャット型接客で、商品やコーディネートを検索することができる他、ブランドアプリを導入し、来店客のスマートフォン上で簡単な決済や配達を指定できる。
中央のコミュニティースペースを囲み、ニット、カットソー、ボトムス、アウターなどのカテゴリー別の約6部屋に単品集積でアイテムを陳列する。商品構成はウィメンズ4割、メンズ3割、キッズと服飾雑貨がそれぞれ1.5割ずつで、全体の4割はユニセックスで着用できるものを並べる。カットソーは豊島のオーガニックコットンブランド「オーガビッツ(ORGABITS)」とタッグを組み、オーガニックコットンを10%用いたパーカやトップスなどをそろえる。
子どもに向けた仕掛けも強化した。中央のタッチパネルでは、お絵描きアプリを導入して、子どもが書いた絵が画面上で動き出す。また、玩具の輸入代理店のラングスジャパンと組み、大人と子どもが一緒に楽しめる知育玩具を取り扱う。動体視力、反射神経やバランス感覚などを鍛えられるスポーツトイや、手を汚さずに砂遊びができる“ケネティックサンド”、親子のコレクターが多いというキャラクタートイの“ショップキンズ”などを販売する。ファミリー客の滞在時間を伸ばす考えだ。
より価値の高いモノを生み出すリサイクル“アップサイクル”にも注力する。福井にリメイク専用工場を設けるT.Kガーメントサプライと協業し、レザーやデニムなどのハギレや廃材を用いた雑貨を販売する他、来店客が持ち込んだ古着を用いて、バッグやクッションカバーなどにリメイクするイベントも行う予定だ。