ワコール(WACOAL)傘下のアイ(AI)は5月から、水着専門店の三愛水着楽園を「サンアイリゾート(SAN-AI RESORT)」へと名称変更し、リブランディングを進めている。従来はヤング向けというイメージが強かったが、30代以上の大人女性に向けた品ぞろえも強化する。水着だけでなく、リゾートウエア、ヨガウエアなども含めた“マルチウエア”という切り口を打ち出す。あわせて、2015年に親会社となったワコールとの相乗効果も創出。第1弾として、ワコール人間科学研究所が蓄積してきた女性の体のデータを生かしたノンワイヤ水着を7月に発売する。
5月15日にそごう横浜店、23日に渋谷モヴィーダ館の店舗を改装オープンした。7月時点で約70店を改装オープンする予定だ。20代向けの基幹の水着ブランド「アイ ピンク(AI PINK)」「アイ ブルー(AI BLUE)」に加え、30代向けの水着やリゾートウエア「レイール(REIR)」「コーラルベール(CORAL VEIL)」などを売り場の軸とする。
7月に発売するノンワイヤ水着は、ワコールの下着でヒットしているパターンを採用する。ワコールの強みを生かし、女性が水着購入の際にデザインと共に重視しているという「体型カバー」「体をきれいに見せる」といったニーズに対応。キャンペーン商品として打ち出す。秋以降もワコールのデータを活かした商品を順次開発し、将来的にはそれらをワコールの売り場で販売する考えもある。
海外では、下着メーカーが自社の技術を生かした大人向け水着を手掛けることは一般的だが、日本では水着はヤング向けのかわいらしいデザインが長く主戦場となってきた。リブランディングによって、そこに一石を投じる。また、「消費者にとって、水着、下着、アスレジャーウエアなどはどんどん垣根がなくなっており、ファッションブランドが参入する事例も増えている。しかし、水着メーカーや売り場だけが従来のセグメントに縛られている。これまでの売り方では水着のマーケットは縮小していく。ワコールと共に、水着、下着などアイテムの垣根を超えた新たなマーケットを作っていきたい」(伊藤哲郎アイ社長)という。