「セオリー(THEORY)」の新ウィメンズ・クリエイティブ・ディレクターに、フランチェスコ・フッチ(Francesco Fucci)前「ザ・ロウ(THE ROW)」ヘッドデザイナーが就任した。2017年12月に退任したリサ・カルソン(Lisa Kulson)の後任だ。フッチのファーストコレクションとなる19年プレ・スプリング・コレクションは、バイヤー向けに今週披露される。
イタリアのナポリ出身のフッチは、ローレンス・スティール(Lawrence Steele)、ルイ・フェロー(Louis Feraud)、イヴァン・ミスペラーレ(Yvan Mispelaere)などのデザイナーの下で経験を積んだ。その後「ダイアン フォン ファステンバーグ(DIANE VON FURSTENBERG)」でシニア・デザイン・ディレクターを務めた他、「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」でもコンサルタントとして関わった後、アシュリー・オルセン(Ashley Olsen)とメアリー・ケイト・オルセン(Mary Kate Olsen)姉妹が手掛ける「ザ・ロウ」のヘッドデザイナーに12年に就任した。
ファーストコレクションはテキサス州の砂漠の真ん中にあるアートの町、マーファをインスピレーション源にしながらも、色使いや形に彼のヨーロピアンらしい洗練されたセンスを感じることができる。ホワイトシャツやコートやジャケット、パンツのシルエットにメンズウエアのテーラーリングを取り入れ、ジル・サンダー(Jil Sander)をほうふつとさせるようなミニマリスト的なコレクションに仕上がっている。
また、フッチは同コレクションの他に、ストレッチパンツとブレザー、カシミアコート、ウールのトラベルスーツ、コットンTシャツやメリノウールのセーターなど、「セオリー」のルーツに根ざすベーシックなアイテムも手掛けた。
アンドリュー・ローゼン(Andrew Rosen)最高経営責任者(CEO)は「改革は必要ないが、日々進化しなくてはならない。会社のデザイン、クリエイティブ面で新たな風とエネルギーが必要だった。フッチは『セオリー』を深く理解していて、彼が作る服は、われわれの美学とやり方を踏襲している。そして彼はさらにエモーショナルにブランドを進化させた。今後は商品の素材のクオリティーを向上させ、いくつかの商品価格を上げる。段階的な価格体系にし、20%ほど価格を上げるカテゴリーもある」と語った。
ローゼンCEOは「セオリー」の売上高などについては詳しく明かさなかったが、特にアジアでの急成長に支えられ、売上高は10億ドル(約1100億円)を超えており、約60%の事業がインターナショナルなものだという。
「セオリー」のメンズウエアはマーティン・アンダーソン(Martin Andersson)が手掛けている。