中国第2位の大手ECサイト「JDドットコム(JD.com)」を運営する京東集団が5月、ドイツ・ハンブルクと中国国内最大級の駅拠点・西安をつなぐ初の“移動倉庫”となる定期貨物列車の運行を開始した。ハンブルグからポーランド、ベラルーシ、ロシア、カザフスタンを経由し、新彊ウイグル自治区から中国に入国、西安国際港務区の鉄路コンテナセンターに到着する経路で、京東物流が全国各都市へと商品を配送する仕組み。
ヨーロッパの工場から消費者までの工程を京東集団が一気通貫で在庫・物流を管理するため、運輸コストは空輸の5分の1、時間も海運の半分で済む。注文後の最短配達時間は1時間半程度だ。全移動行程を京東物流がトラッキングするため、正確な配送状況がわかる他、“移動倉庫”に商品が乗ったタイミングでデータが連携されるために国内倉庫に到着する前にも購入が可能になる。京東物流のビッグデータを用いれば、販売ピークに合わせて事前の貨物搬入もできる。
京東集団は現在、中国国外に110の倉庫、 900本以上の国際路線を持ち、224の地域へ「JDドットコム」の商品を配送している。