伊藤忠ファッションシステム(IFS)と素材大手ユニチカの子会社のユニチカガーメンテック(UGT)は、両社協業による素材・製品の検査機関「エイチシー ラボ(HC LAB)」を東京・青海のテレコムセンタービルに開設した。「エイチシー ラボ」は、「ヒューマンセントリック ラボラトリー」の略称で、最終製品の品質保証だけでなく、消費者に有益な製品の物性や機能性を評価し、ファッション企業の商品開発や改良プロセスに役立つ検証、評価のデータ提供、提案を業務とする。両社は大阪で繊維製品の検査機関を運営しており、2015年から業務提携しているが、事業の発展的拡大を目的に東京で同ラボを設立した。同ラボには、洗濯による色の変化や伸び縮みを測定する装置、衣服内の温湿度の変化が測定できる発汗するサーマルマネキンなど数々の検査機器が設置されている。
5月24日に行った内覧会で、駒谷隆明・伊藤忠ファッションシステム社長は「当社は一般物性試験、UGTは機能性試験・快適性評価を得意とする。違った役割を持つ2社が力を合わせて、人に役立ち、マーケットに提案力のあるラボラトリーにしたい」とあいさつ。池田武彦ユニチカガーメンテック社長は「衣服の着心地や機能性をデータ化した情報を企画開発や営業に役立ててほしい」と話した。IFSの知見とUGTの技術力を駆使して、検査、評価だけでなく、企業へのアドバイス、コンサルティングができる、これまでにない機関を目指している。