イギリスを拠点にECサイトを手掛けるマッチズファッション ドットコム(MATCHESFASHION.COM以下、マッチズファッション)の2018年1月期決算は、売上高が前期比44%増の2億9300万ポンド(約436億円)、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が同37%増の2600万ポンド(約38億円)だった。
ウルリック・ジェローム(Ulric Jerome)最高経営責任者(CEO)は、「当社の使命はよりいっそう、消費者との距離を狭め、寄り添っていくことだ。百貨店にはできない、パーソナライズされた最上級のラグジュアリー体験を提供したい」とコメントした。そのために同社は新たなテクノロジーを頻繁に導入しており、「消費者の目には触れない部分だが、結果としてその投資が顧客の買い物体験をシームレスで楽しいものにしている」と続けた。
同社の売り上げの3分の2は既存顧客に支えられているという。「顧客が定期的に購入してくれることが増収につながっているので、ロイヤルティーの高い顧客を大切にしていきたい。テクノロジーは顧客が買い物を簡単にするために存在する」と語った。
マッチズファッションは30年前にリアル店舗を持つ小売業として英ウィンブルドンで創業した。現在はECサイトの他、7店舗(うち4店舗はロンドン)を運営する。
同社のECビジネスは年々規模を拡大し、ウェブサイトの訪問者数は前年比36%増の7500万、売上高の95%がEC経由だという。平均客単価は542ポンド(約8万円)で、国別にみるとイギリス以外が全体の82%を占め、最大の市場は米国に移った。また、同社は17年にフランス語と韓国語用サイトを立ち上ており、今後もさまざまな言語に対応してローカリゼーションを進めるという。
同社は17年9月、投資会社のアパックス・パートナーズ(APAX PARTNERS)に過半数株式を売却しその傘下に入った。トム・チャップマン(Tom Chapman)とルース・チャップマン(Ruth Chapman)共同創業者は経営から退き、コンサルタントとして携わっている。