三越伊勢丹ホールディングスが富士通と組み、三越銀座店3階でシェアリングサービスの実証実験を開始する。まずは従業員とその家族向けに6月18〜28日、顧客向けに8月1日〜11月30日、シェアリングサービスのためのスペースを設ける。扱うのはブライダル用のドレスやワンピース、ブラウス、パンツなど180SKUで、レンタル価格は1万5000〜2万円程度。
ユーザーは店頭で借りたい商品を試着し、気に入れば専用のアプリを通じて商品のQRコードを読み込むだけで、アプリ上でレンタル予約ができる。予約可能期間はレンタル開始日の21〜4日前までで、商品は店頭もしくは郵送で受け取る仕組み。3日前〜当日20時までの期間も、在庫があれば店頭で直接レンタルの申し込み・決済を受け付ける予定だ。レンタル期間は2泊3日で、利用後は返送する形をとる。
百貨店を日頃利用しない新規のミレニアル世代をターゲットに、店頭誘致を狙う。三越銀座店を実証の場に選んだ理由について、「ブライダルのニーズが高いことと、デジタルに慣れている顧客が多く、トライアルに適していることだ」と同社。アパレル業界でも広がるシェアリングサービスだが、「われわれの強みはサービスに対する安心感と商品調達力。他にはないラインアップを提供したい」と意気込む。
富士通は今回、商品データを登録するだけで簡単にシェアリングサービスを始められるサービス基盤を開発した。今後、実証実験を通じて機能強化を図り、他企業へもサービスを拡大していく計画だ。専属スタイリストによるコーディネート提案やチャットを通じたスタイリング相談などの機能の導入も予定する。