阪急阪神百貨店は1日、阪神梅田本店(大阪・北区)の第1期棟を開業した。強みである食関連のフロアを中心に多くの人が訪れ、人気店には早い時間から行列ができた。特に3年ぶりに復活した立ち食いフードコート「スナックパーク(SNACK PARK)」、関西初出店となる高級バーガー「シェイク シャック(SHAKE SHACK)」は黒山の人だかりとなった。
オープンを待つ客の列が伸びたため、開店時刻は当初予定よりも5分早い9時55分に前倒しされた。2階デッキの入口では、トランペットの生演奏とスタッフのハイタッチで入店客を歓迎。市内に住む60代の夫婦は「長年、阪神百貨店のファン。親しみやすいところが好き。新しい店をずっと楽しみにしていた」と話す。
最も賑わいを見せていたのは1階の路面にオープンした「シェイク シャック」で、すぐに2時間待ちの行列になった。運営するサザビーリーグの角田良太・社長は「出足は想定以上でホッとしている。関西の人たちにアピールするために最高の立地を確保できた」と今後に期待を寄せる。地下1階の「スナックパーク」は「阪神名物 いか焼き」「ちょぼ焼き」「道頓堀赤鬼」などワンコイン(500円)でランチが楽しめる気軽さで老若男女を集めていた。
各フロアで“テラス”と名付けられた南側のゾーンでは、実験的な売り場作りが行われている。例えば3階のウエルネス・スクエアは、マッシュホールディングスによるスニーカーやスポーツウエアを編集した「エミ ウェルネス クローゼット(EMMI WELLNESS CLOSET)」、オーガニックレストラン「コスメキッチン アダプテーション(COSME KITCHEN ADAPTATION)」の他、「山田養蜂場」「ニホンドウ漢方ブティック」などを集積する。4階ではリアルクローゼット、5階ではリラックス&ナチュラルをテーマにそれぞれアパレルや雑貨、コスメ、食が混在した売り場を提案する。“テラス”内にあるイベントスペースでは週単位でさまざまなジャンルの物販や飲食を提案し、常に新しさを訴求する。阪急うめだ本店で成功したコトコトステージのコンセプトを移植したものだ。
阪神梅田本店は敷地の東側を第1期棟、西側を第2期棟として、2段階に分けて建て替えを進めている。14年から東側の建て替えに着手し、西側だけで縮小営業を続けてきた。入れ替わる形で今後は西側の建て替え工事に入る。全面開業する21年秋には、建て替え前とほぼ同じ売り場面積5万3000平方メートル規模になる予定だ。