デンマーク出身のロンドンデザイナー、ピーター・イェンセン(Peter Jensen)が自身の会社を、子ども服を展開する韓国企業のパステル ワールド(PASTEL WORLD)に売却した。売却額などは非公表だが、イェンセンはパステル ワールドのコンサルタントとして、ビジネスパートナーのジェラルド・ウィルソン(Gerard Wilson)と共にブランドに関わっていく予定だ。コレクションの生産は一時休止するが、生産済みの商品はECサイトおよび店頭で販売する。
イェンセンは「パステル ワールドと協力して『ピーター イェンセン』らしさを維持しながらコレクションやアイテムを製作していく。ブランドをスタートしてから18年が経ち、多くのコレクションを作ってきたが、新たなことに挑戦すべき時だと感じていた。そんな時にちょうどパステル ワールドから打診があり、われわれに時間と自由を与えてくれた」と語る。同氏は米ジョージア州サバンナ芸術大学デザイン学部で学士号と修士号を取得する予定だという。
現在「ピーター イェンセン」は世界に150以上の販売拠点があるが、今後はパステル ワールドの下で2018年末までに5店舗を新たにオープンする。
売却後、イェンセンはロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A Museum)、セント・マーチン美術大学(Central St. Martins)、ニューヨーク州立ファッション工科大学(Fashion Institute of Technology)、デザイン ミュージアム デンマーク(Design Museum Denmark)などにアーカイブを寄贈する予定だ。
イェンセンはセント・マーチン美術大学を卒業後、1999年に自身の名を冠したブランド「ピーター イェンセン」を設立。2001年にロンドン・ファッション・ウイークに初参加したが、その後ランウエイでの発表を休止し、ショールームやルック写真での発表に移行した。15年プレ・スプリング・コレクションではオノ・ヨーコそっくりのモデルを16人起用し話題となった。女優のサンディ・デニス(Sandy Dennis)、アートコレクターのペギー・グッゲンハイム(Peggy Guggenheim)などをミューズとしている。