ニューヨーク5番街の老舗百貨店ロード&テイラー(LORD & TAYLOR)が2018年末までに閉店する。同百貨店を所有するハドソンズ・ベイ・カンパニー(HUDSON'S BAY COMPANY以下、HBC)はウィーワーク プロパティー アドバイザーズ(WEWORK PROPERTY ADVISORS)に同百貨店のビルを8億5000万ドル(約926億円)で売却した17年10月時点では、約1万4000平方メートルに売り場面積を大幅縮小し、残りはコワーキングスペースを運営するウィーワーク(WEWORK)が本社として使用するとしていたが、11階建てのビル全て、総面積約6万平方メートルを閉店することが明らかになった。この閉店により約800人の従業員が影響を受ける。さらに、現在48あるロード&テイラーの店舗のうち、10店舗を19年末までに閉店していくという。
情報筋によれば、かつて5番街の旗艦店は約1億2000万ドル(約130億円)あった売上高が近年では約1億ドル(約109億円)まで落ち込んでいたという。同旗艦店は、他の百貨店が並び活気のあるミッドタウンやヘラルドスクエアからは少し離れたエリアに位置しており、近隣にあった百貨店は過去30年間で撤退していった。“おばあちゃんの百貨店”というイメージが払拭できず、商品は大幅に値下げされていた。
しかしロード&テイラーは、かつては最新の施策を導入する百貨店として知られていた。百貨店で初めてエレベーターやパーソナルサービスを導入したり、女性幹部の登用や、華やかなクリスマス・ウインドウを設置したことも大きな功績だった。
HBCは、現在バンクーバーのハドソンズ・ベイ旗艦店の売却先を探している他、フラッシュセールサイトのギルト(GILT)を、ボストンを拠点に同様のフラッシュセールサイトを運営するル ラ ラ(RUE LA LA)社に売却したばかりだ。