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好調「グッチ」が1兆円超え宣言、ライバル「ヴィトン」を抜くか

 グッチ(GUCCI)のマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼最高経営責任者(CEO)は、7日に開催した株主総会で売上高100億ユーロ(約1兆2800億円)を目指すと発表した。

 ビッザーリ社長兼CEOは、「私が2015年に現職に就いて以来、『グッチ』ブームがどれだけ続くかが話題になっているのをよく見聞きするようになった。しかし、現在の『グッチ』は単なる“ファッションの流行り”にとどまらない。アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターは新たな欲求、新たなラグジュアリー、新たなスタイルを生み出した。これらはブランドにとって成長の起爆剤ともいえるミレニアル世代だけでなく、全ての年代で2ケタ成長を見せている。このことからも、年代ではなく、特定のマインドを持った人々に受け入れられているということが実証できたといえる。ファッションとはアイテムそのものだけではなく、“どうしても買いたい”と思う欲求であり、実体のない感情のことだ」と話した。

 こうした“欲求”がグッチの快進撃を後押ししている。16年に設定した目標値を想定よりも早く達成する見込みのため、新たな目標――すなわち売上高100億ユーロ、営業利益率が40%(2017年は34%)を掲げた。達成期限は明らかにしていない。なお、アナリストによるとライバルの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の17年の売上高は90億ユーロ(約1兆1520億円)以上だという。

 グッチの売上高は16年12月期が前期比12.3%増の43億7830万ユーロ(約5604億円)、17年12月期が同41.8%増の62億1120万ユーロ(約7950億円)と2年連続で大幅伸長を達成していることからも、ビッザーリ社長兼CEOは100億ユーロ達成に自信をみせる。「(100億ユーロという数字について)高望みだとも思わないし、達成不可能だとも思わない。持続性については心配していないし、数字を気にしたことがない」と話した。

 同ブランドは売上高100億ユーロ達成に向けて、卸やトラベルリテール、小売りスペースやeコマースの拡張などを進める一方で、ビューティとアイウエアのライセンス事業に力を入れていく。「ビューティもアイウエアも昨年とは比べ物にならないレベルだ。これらの事業領域が持つポテンシャルはとても大きい。現時点ではミケーレが手掛けたのは香水『ブルーム』だけしかないが、18カ月以内に重要なアイテムを市場に投入する。彼はフレグランスとビューティが大好きで知識も豊富。今後、業界をけん引するリーダーになれると確信している」と話し、ミケーレ=クリエイティブ・ディレクターが手掛けるコスメラインを19年5月に発表することと、フレグランスの新作を同9月に発表することを明かした。

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