ファッション

「新しいものも過去もリスペクトする心が大切」 ロンドン発ジュエリーブランド「バニー」

 「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」でクリエイティブ・ディレクターを務めた経歴も持つアンドリュー・バニー(Andrew Bunney)が、2009年に自身の名を冠して立ち上げたジュエリーブランドが「バニー(BUNNEY)」だ。

 同ブランドはイギリス・ロンドンを拠点にし、設立から10年未満ながらも、700年近い歴史を持つ英国金属工芸団体ゴールドスミス・カンパニーに認められている。ブランド設立のきっかけは自分のためだった。「もともとジュエリーが大好きだった。でも自分にはメンズだと男くさすぎて、ウィメンズだと小さくてかわいらしすぎる。それにロック系やゴス系、パーティー用とそれぞれのスタイルが強く出ているモノが多い。だからいろいろなシーンで身につけることができるようにと、メンズとウィメンズの中間のジュエリーを扱う『バニー』を立ち上げた。最初は自分が欲しいものだけを作っていたが、今はブランドも大きくなってきたので顧客のことを考えて作るようになった」。

 作品の多くはシンプルで上品なデザインのものばかり。「手作りと鋳造のどちらの製法でも作っているが、全てイギリスの職人によるもの。シンプルで上品というのは、何百年にもわたって品質管理を徹底してきた伝統技術がそう感じさせるのかもしれない」とバニー。さらに「洋服は新品で買っても毎日着たら5年と持たない。ビンテージでも50年が限界だ。だがジュエリーはいいものを作れば親から子へ、その子からまたその子へと100年以上だって受け継ぐことができる。それに単なるモノである以上に、代々受け継ぐことで“想い”も宿るもの。『バニー』はそんなブランドだ」と続けた。

 作品のインスピレーションについては、「今はなんでもデジタルの時代だが、それだけでは良いものを作ることはできないし、理解することもできない。カルチャーなどのバックグラウンドからインスピレーションを得ることも大切。新しいものを取り入れる心と、過去をリスペクトする心の両方を持つことが重要だ。だからこそブランドを設立した時に初めて作ったのは、イギリスのサブカルチャーと縁が深いスタッズと缶バッジだった。どちらもブランドのシグニチャーで、昔からあるものだからこそ、つける人やアイテム、時代やバックグランドによって見せ方も見え方も大きく変わる。『バニー』を身につけることで自分のスタイルを確立してほしい」と語った。

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