「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のトーマス・マイヤー(Tomas Maier)=クリエイティブ・ディレクターが17年間在籍したブランドを去る。親会社のケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)会長兼最高経営責任者は、「『ボッテガ・ヴェネタ』の今があるのはトーマスのレベルの高いクリエイションによるところが大きい。彼はクリエイティブな視点でメゾンの高い技術を巧みに表現してくれた。個人としても彼のブランドに対する貢献に大きく感謝している」とコメントを発表した。
トーマスは2001年、経営難に陥っていたメゾンをケリングが買収すると間もなく、クリエイティブのトップに就任。ロゴなどを誇らず卓越したクラフツマンシップで勝負する“ディスクリート・ラグジュアリー(控えめなラグジュアリー)”の立役者となり、メゾンのアイデンティティーを確立した。現在の年商は1600億円規模で、グループ内では「グッチ(GUCCI)」の8000億円強、「プーマ(PUMA)」の5500億円強(ただし18年初頭、ケリングはプーマ株式の保有比率を19%まで引き下げることを表明)、「サンローラン(SAINT LAURENT)」の2000億円(いずれも17年度通期決算から)に次ぐ規模。急拡大に大きく貢献したが、メゾンは近年、グループ内の他ブランドに比べ成長の速度が鈍っていた。
退任時期などの詳細は明かされておらず、続報が待たれる。