アイウエア企業ジンズが“メガネの本質からデザインする”をコンセプトに、国内外のトップデザイナーとコラボレートして昨年秋にスタートした「ジンズ デザインプロジェクト(JINS Design Project)」は、イギリスのプロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソン(Jasper Morrison)を迎えた第1弾に続き、ドイツのプロダクトデザイナー、コンスタンティン・グルチッチ(Konstantin Grcic)によるラウンドタイプのシリーズを6月14日に発売した。
この日に合わせてグルチッチが来日し、建築家の永山祐子、保坂健二朗・東京国立近代美術館研究員と、代官山のヒルサイドテラスでトークイベントを行った。これまでインテリアの他、「プラダ(PRADA)」のバッグや「ラドー(RADO)」の時計などもデザインしたグルチッチだが、眼鏡のデザインは初めて。「顔の真ん中にある眼鏡は人の印象を左右する重要なアイテムなので、デザインすることにプレッシャーを感じつつ、やりがいがあった」と振り返った。彼がデザインした8種類のモデルは全てラウンド型だ。「眼鏡の歴史をさかのぼると、原点は丸い形だった。全部ラウンド型だが一つ一つがストーリーを持ち、キャラクターが違う。ジンズとの協業により、誰が掛けても特別なイメージを醸し出す、完成度が高い商品ができた」と自信を見せた。次にデザインしたいものは何かと問われると「自転車。この質問には以前もそう答えたが、誰も私に自転車デザインを依頼してこない」と会場を笑わせた。
田中仁ジンズ社長は、「これまでラウンド型の眼鏡はインテリしか似合わないと思っていたが、グルチッチの眼鏡は誰でもしっくり合う。あらためてデザインの力はすごいと感じた。『ジンズ』は今後も眼鏡デザインの概念にイノべーションを起こしていきたい」と話した。