「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN以下、ルブタン)」とオランダのシューズチェーン、ヴァン・ヘイレン(VAN HAREN)が赤い靴底の靴の販売を巡り争っている件について、欧州司法裁判所は12日、「ルブタン」が商標登録しているレッドソールは有効だと判断した。「ルブタン」は、ヴァン・ヘイレンが販売する赤い靴底の靴は商標権を侵害しているとして販売停止を求め、2012年に訴えを起こしていた。オランダ・ハーグの地方裁判所は、ヴァン・ヘイレンが商標権を侵害しているかどうかを判断する前に、「ルブタン」の商標自体の有効性を確認すべく、欧州司法裁判所に判断を仰いでいた。
欧州司法裁判所のマチェイ・シュプナール(Maciej Szpunar)法務官は、EUでは色と形を組み合わせた商標は無効と判断される可能性があることを示唆。通常、当事者は係争中の事案についてコメントを出さないが、「ルブタン」はこの意見が与える影響の大きさを考え、「法務官の意見はミスリーディングだ。『ルブタン』の赤い色が商標に保護されているのはひとえにマーケティングの努力のたまものであり、赤い底のハイヒールが『ルブタン』を想起させるからだ」と異例の反論コメントを発表していた。
欧州司法裁判所が12日に商標の有効性を認める判決を下したことで「ルブタン」は、「欧州裁判所の判決を歓迎する。商標が認められたことでハーグ地裁での訴訟に戻るが、そこでも商標権の有効性が認められると期待する」とコメントした。
さらに、アレクシス・ムーロ(Alexis Mourot)=ルブタン最高執行責任者兼ジェネラルマネジャーは、「判決は簡潔に、はっきりと書かれていた。これはとても珍しいことだ。欧州全土で商標権が認められたことはとても喜ばしい。『ルブタン』の完全勝訴だ」と話した。
「ルブタン」はレッドソールを巡って過去にも訴訟を起こしている。12年には「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」が赤い靴底の靴を販売したことを受けて「ルブタン」が提訴した。この時は一審で「ルブタン」が敗訴したが、二審で裁判所が靴底と上部の色にコントラストがある場合にのみ「ルブタン」の商標権が認められると部分的に認定し、「イヴ・サンローラン」が販売した赤い上部に赤い靴底のシューズは商標権の侵害に当たらないと判断した。