文部科学省が新たに設置する専門職大学として、ファッション専門学校のモード学園などを運営する日本教育財団による国際ファッション専門職大学の来年4月の開学に向けた準備が大詰めを迎えている(認可申請中)。
専門職大学とは、特定の職種における業務能力の育成を目的とする新たな大学制度で、企業での長期実習を通じ高度な実践力や豊かな創造力を培う教育に重点を置くというもの。
国際ファッション専門職大学は、“日本で唯一のファッション、ビジネスの専門職大学”を掲げ、文化庁長官や駐米国大使館公使などを歴任した近藤誠一氏を初代大学長に迎えて来年の開学に備える。国際ファッション学部は、ファッションクリエイション学科、ファッションビジネス学科(以上、東京キャンパス)、大阪ファッション学科(大阪キャンパス)、名古屋ファッション学科(名古屋キャンパス)の4学科で構成され、募集学生の定員は、ファッションクリエイション学科が80人、ファッションビジネス学科が38人、大阪と名古屋のファッション学科がそれぞれ38人。キャンパスは、東京、大阪、名古屋のモード学園と同じ建物内に設置する。
大きな特徴の1つは、4年間で600時間の企業内実習と海外の企業研修を必修としている教育プログラムだ。「当大学の大きな役割は、地方創生への貢献と世界のファッション業界で活躍できる人材育成にある」と後藤京子・日本教育財団モード学務室運営責任者は語る。実習先として国内外の企業と契約を結んでおり、国内は現在アパレルメーカーやテキスタイルメーカーなど100社以上、海外はアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリア、中国、台湾の15社と提携している。アメリカはラルフ ローレン コーポレーション社などと契約している。
「ライフスタイルの多様化、グローバル化、IT技術の進歩など時代の変化に対応した最先端の高度な学習カリキュラムは、これまでにないものだ。海外で活躍できる技術と専門知識を身につけたクリエイターやプロデューサーを育成したい」と話した。
少子化の中での開学については、「モード学園の学生数は約4500人で、ずっと伸び続けている。国際大学にふさわしく留学生も受け入れたい。入学者数に対する懸念はない」としている。今秋の文部科学省の認可を経て、学生の募集を開始する。モード学園同様、就職希望者の就職率100%を保証する支援システムを導入している。