フリマアプリ「メルカリ(MERCARI)」を運営するメルカリが19日、東京証券取引所マザーズに株式を新規上場した。株価は初値が5000円、高値が6000円、初日終値が5300円だった。午前9時の取引開始から買い注文が殺到し、午前11時頃に公募株価格の3000円を大きく上回る初値がついた。終値で計算した時価総額は約7170億円で、今年上場した企業では最大。
創業者でもある山田進太郎・会長は記者会見で、「ようやく一歩を踏み出した。(株価に対して)高い評価をしていただいたということなので、気を引き締めてやっていきたい。上場を通じて、テックカンパニーとして世界を目指す。ここ最近はテクノロジーに力を入れているが、こうしたプロダクトが世界展開の武器になるだろう。国を超えた世界的なマーケットプレイスを目指したい」とコメント。今後も人材とテクノロジー、海外事業に投資をしていく考えを示した。
国内ではユーザー数拡大と1人あたりの売り上げ向上とともに、メルカリが持つデータ・決済サービスを活用した外部との連携を目指す。具体的にはメルカリ内で売買に用いてきた通貨(メルペイ)をオフラインや金融商品に対しても使えるような取り組みを計画する。創業当初から力を入れてきた海外事業では、アメリカでの黒字化・成長を機に、現地化をキーワードに世界進出を狙う。まずはシステムなどが整った先進国を皮切りに、数十年かけて新興国への進出も検討しているという。
なお、17年6月期の通期決算は、売上高が前期比80%増の220億円、経常損失が27億円、純損失が42億円だった。「メルカリ」の累計ダウンロード数は18年3月時点で1億800万。国内の月間流通額は同時点で324億円。