オンライン試着サービスのバーチャサイズ(Virtusize)は21日、繊維商社の豊島のCVCファンド、デザインコンサルティング会社大手IDEO(アイディオ)の投資ファンドD4V、YJキャピタルなどから約15億円の資金調達を実施したと発表した。バーチャサイズはスウェーデンで起業したが、日本で売り上げを急拡大しており、日本法人のトップだった上野オウラウソン・アンドレアス氏が調達した資金を活用し、本社をMBO(マネジメント・バイアウト=経営陣による買収)し、新たに最高経営責任者(CEO)に就任する。バーチャサイズは、オンライン試着サービスの日本の国内シェアナンバーワンで、本社と開発拠点を日本に移す。
バーチャサイズは2011年にスウェーデンのストックホルムで創業。試着できないネット通販で、アイテム同士を重ね合わせて細かくサイズを比較できるサービスを展開してきた。13年11月に日本に現地法人を設立すると、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)やショップリスト(SHOPLIST)、マルイなどの大手小売りが相次いで自社のECサイトに導入するなど、現在は売り上げのほとんどを日本市場が占めるようになっていた。
上野新CEOは、「17年は前年の2倍の収益を上げるなど、非常に好調だった。これから新たに画期的な2つのサービスの開発を予定しており、出資してもらったパートナーとともに日本とアジアで成長を続けたい」とコメントしている。
なお今回同社に出資する豊島のCVCファンドは、ファッションアプリを展開するSOVとスタイラー、インドネシア最大のECモール運営のVIPプラザインターナショナル、スマートアパレル製造企業ゼノマに続き4件目になる。